KDEプロジェクトは11日 (インターネット時間)、統合デスクトップ環境K Desktop Environment (KDE) をメジャーアップデート、「KDE 4.0」として正式にリリースした。KubuntuやopenSUSEなど、KDEを標準のデスクトップ環境に採用するLinuxディストリビューションは、KDE 4.0のバイナリパッケージやLive-CDの提供を開始している。

今回のリリースは、ノルウェーTrolltech社のGUIフレームワーク「Qt 4.0」をベースに開発。変更箇所が多く後方互換性が失われた機能も少なくなかったことから、ソースコードの大幅な修正を余儀なくされた。その間、KDE 3以降開発が停滞していたaRtsに代わるマルチメディアフレームワーク「Phonon」が開発されるなど、基本レイヤ層の充実も進められている。メジャーバージョンアップは、2002年4月公開のKDE 3.0から約5年9ヶ月ぶり。

KDE 4.0では、新設計のデスクトップシェル「Plasma」を追加。アプリケーションの起動に用いるラウンチャー「KickOff」や、デスクトップアクセサリ実行環境 (dashboard) など、モダンなGUIが装備されている。ラウンチャーには、保存場所やキーワードを入力してアプリケーションを起動する「KRunner」も追加されている。

収録されるアプリケーションも機能強化や新規採用が進められ、Webブラウザ「Konqueror」がCSS 3に対応したほか、標準のファイルマネージャとして「Dolphin」が用意された。PDFに対応した文書ビューア「Okular」など、新規採用のアプリケーションも多い。

Plasmaのラウンチャー「KickOff」

ファイルブラウザ「Dolphin」も追加された