米ラスベガスで開催中の「2008 International CES」。会場のLas Vegas Convention CenterはCenter・North・Southの3つのHallからなり、CESはその全フロアを使う(それだけでは足りずに別の会場もある)。そのうちSouthは、主にカーエレクトロニクス製品が集まっている。その中から、ここではクラリオンの「MiND」を紹介したい。

MiND

大きなアイコンが並び、指でタッチして操作する。画面上で指を横に滑らせるとアイコンがするするっとスクロールする仕組み

MiNDは、前日イベントのDigital Experience!でも出展されていた、Intelの新プラットフォームMenlowを搭載したUMPCだ。クラリオン側ではUMPCとはいわずに「Mobile Internet Navigation Device(MiND)」と呼んでいる。

カーナビゲーションというよりもPND(パーソナル・ナビゲーション・システム)+インターネット端末という位置づけのようで、本体にはGPSと地図データ、そしてバッテリを内蔵。もちろん車に積んでカーナビとしても利用できるが、車から離れてMiND単体を持ち出しても、現在位置の把握からルート案内までを行うことができる。

「1GHz以上」(クラリオン担当者)のCPUを搭載し、OSにはLinuxを搭載するため、搭載されているソフトウェアは比較的高機能。通常のナビゲーション機能に加え、Webブラウザからメディアプレイヤー、メーラー、連絡先といったものから、PDFリーダー、ファイルマネージャー、インスタントメッセンジャー、そしてMySpaceとYouTubeも個別のソフトとして提供されている。MySpaceとYouTubeは、それぞれのAPIを利用しており、MiND上で見やすい形にして表示するように工夫している。

導入されているソフトの一部

また、内蔵の地図データのほかに、Googleマップも利用可能だ。こちらもAPIを使っているため、Google Maps APIでできることは技術的にはすべて対応可能だそうだが、たとえば内蔵GPSを使ってGoogleマップ上に現在位置を表示するなど、どういった機能を搭載するかはまだ未定だという。

文字入力はソフトウェアキーボードを使う

ソフトの1つにOfficeというのもあり、これは文書入力ソフトだが、Microsoft Office Wordのファイルを読み込むこともできるそうだ。

通信機能としてはIEEE802.11gに対応。残念ながら携帯電話を接続するなどしての通信には非対応のようで、基本的には無線LANでネットアクセスする形になる。また、当初は発売しないが、今後モバイルWiMAX搭載のIntelチップを内蔵したモデルを上位機種としてリリースする予定だという。米国ではSprint Nextelが今年中にモバイルWiMAXサービスを開始する予定だが、その後のサービスの動向を見ながら提供時期を検討するそうだ。

ちなみにクラリオンといえば、Windows Automotiveを搭載した製品をいち早くリリースするなど、新技術への対応は積極的だ。今回、このAutomotiveを採用しなかった理由について担当者は、「Menlow対応がLinuxの方が早かったため」という回答。今後、Automotiveの対応次第では搭載製品の開発も検討するそうだ。

MiNDの発売は、米国では9月。価格は699ドルをターゲットにしているという。日本国内への展開については、来年か再来年になるという話だった。

まったくクラリオンとは関係ないのだが、自動車つながりということで。Dolbyのブースに置かれていた映画トランスフォーマーのBumblebeeが。これはすごい