ノルウェーTrolltechは7日 (米国時間)、ラスベガスで開催中の2008 International CESの会場で、携帯電話用Linux OSの普及促進団体「LiMo Foundation」に加盟したと発表した。日本企業が中心的立場にあるLiMoへの参加により、国内向けLinux携帯電話に同社のソフトウェア技術が採用される可能性が高まった。
Trolltechは、GUIツールキット「Qt (キュート)」の開発で著名なソフトハウス。オープンソース版が存在するQtは、UNIX系OS向け統合デスクトップ環境「KDE」などに採用されるほか、組み込みLinux向けの「Qtopia」、携帯電話向けの「Qtopia Phone Edition」など、小型機器をターゲットとした派生版のベースとしても利用されている。LiMoに貢献する具体的な内容は明らかにされていないが、LiMoのソフトウェアスタックに戦略的コンポーネントを提供するだろう、とQtベースの技術を供与する計画が示唆されている。
LiMo Foundationは、携帯電話向けLinux OSの普及を目指す業界団体。MotorolaとNEC、NTTドコモ、パナソニックモバイルコミュニケーションズ、サムスンとVodafoneの6社により2007年1月に設立された。既存の業界各種団体との連携を推進するほか、2007年12月にはWind River (2007年9月加盟) の技術を加盟メンバー共通の開発基盤に採用するなど、Linuxベース携帯端末市場の細分化を抑制すべく活動を続けている。