米調査会社のABI Researchは、PC用光学ドライブ市場において、Blu-ray DiscとHD DVDの間で繰り広げられている規格争いを展望した最新レポート「High Definition DVD for the PC Market」の発表を行った。
同レポートでは、まず最初に次世代DVD市場の現状に関して「消費者は困惑している」との分析が明らかにされている。折りしも今月4日(米国時間)には、Warner Home VideoがBlu-ray陣営へのサポートを表明したことを受けて、北米HD DVDプロモーショングループが遺憾の意を表明したばかり。次世代DVD規格の対応製品が依然として少ない現状も、普及への勢いを阻む一因とされている。
しかしながら、同社主要アナリストのSteve Wilson氏は、次世代DVDドライブ市場が、2012年にはUS20億ドル規模に達するとの予測を発表。その中でも、Blu-ray DiscおよびHD DVDの両方に対応する製品が、次世代DVDドライブ市場全体の約3分の2を占めるほどに普及するとしている。
すでに現在でも、据置型の家電製品では、韓国LG電子やサムスン電子がBlu-ray/HD DVD両対応プレイヤーを発売するなど、ハイブリッドHDドライブ製品が出回りつつある。同氏は、現在は高価格が理由で両対応ドライブはほとんど普及していないことを指摘しながらも、2009年までには、Blu-ray Disc専用製品の価格と変わらないレベルにまで値下げが進むとし、「2010年中には、ハイブリッドドライブの販売台数がBlu-ray専用ドライブを上回るようになると見込んでいる」とコメントしている。
なお、今回の調査では、従来の記録型DVDディスクをPCのストレージ目的に使用している消費者が約3割に達したものの、Blu-rayやHD DVDのメディアはまだまだ販売価格が高いため、ストレージメディアとしての普及には時間がかかるとの分析も出されている。