ソニーは7日、携帯電話やデジタルカメラ、ビデオカメラなどのモバイル機器をかざすだけでパソコンやテレビにファイルを高速転送できる近接無線転送技術「TransferJet」を発表した。

同技術は、物理層の転送レート560Mbps、実効レート375Mbpsを実現し、通信状況に応じて最適な転送レートを選択する機能が実装された近接無線転送技術。通信機器同士を直接かざすだけという直感的なインタフェースを採用し、通信機器の事前登録により自分の家の機器のみを登録して第三者へのデータの漏洩を防ぐといった使い方ができるほか、ホストとターゲットの関係がないため、携帯電話とパソコン、携帯電話同士の直接通信が可能だ。

また、微弱出力による近接専用の無線システムのため、他の無線システムにほとんど干渉しないことに加え、誘導電界を用いた新規開発の「カプラ」を採用することで、近距離では高い利得を得ながらも離れると急激に減衰するという特徴によって他との干渉を防いでいる。さらに、偏波を持たないため、機器同士の角度を意識することなく接触させても利得を落とさずに通信が可能だ。

仕様は、中心周波数が4.48GHz帯、送信電力は-70dBm/MHz以下。通信距離は3cm以内が想定されている。