こちらの記事でお伝えしているように、22日から24日までの3日間、秋葉原では「Intel in Akiba 2007 Winter ~最新テクノロジーに触れるクリスマス!~」が開催されている。各日ともに魅力的なプログラムが組まれた同イベントだが、2日目はインテルの"神様"こと天野伸彦氏の登場が最大の目玉。各社によるステージでは、ASUSから未発表マザーボードの公開が相次ぎ、来場者の注目を集めた。

2日目も多くの来場者で賑わった

自作の"神様"、今年最後(?)の降臨

「今日のプレゼン資料ですが、会社でチェックされてスカスカに削られてしまいました」としながら登場したインテルの天野氏。しかしながら今回も、インテルの広報活動的にはかなり際どい、だがユーザーにとっては大歓迎の最新情報を数多く紹介してくれた。年の瀬ということで、プレゼンタイトルは「インテル、今年もやるぞ! ゆくCPU・くるCPU」だ。

自作の神様こと、インテルの天野伸彦氏

まずは今年1年の主な活動を振り返り、2007年をDual CoreからQuad Coreへの大きなムーブメントが起こった年と位置づける。ちなみに4月~6月、Core 2 Quadの啓蒙活動を行っていた時期は「我が社の"なんちゃってクアッドコア"は勝てるのか? 社内でドキドキしていた」(天野氏)と内心を語り、早速会場の笑いを誘った。ちなみに一番記憶に残っている出来事は、FSB1333MHzのCore 2販売開始イベントだそうだ。

天野氏、2007年の活動を振り返って……

天野氏の記憶に残ったCPU一覧。天野氏曰く、Q6600がここまで売れるのは意外だったとか

好調な2007年だが"懺悔"も。G965のDX10ドライバは6月には間に合わせたいとのこと

続いて2008年の注目の話題だが、ここからは天野氏の想像(?)だそうだが、前半に45nm世代の普及価格帯プロセッサ、および新チップセットの登場。後半には新しいアーキテクチャの製品が登場するという。45nm世代のCore 2 Quadと同Duoはどちらも2008年第1四半期の発表が予定されているものの、「Quad Coreの方が、ちょっとだけユーザーが貯金できる期間が長くなる」(天野氏)とのことで、つまりCore 2 Quadが多少遅れて登場するという見通しをにおわせた。

スライドがスカスカなのは、「事前のチェックで削られたから(笑)」。将来の製品についてはほかにも、「シングルコアで、より発熱量の少ない製品が……」(天野氏)と未知のCPUの存在も!?

最後は集まったユーザーからの質疑応答の時間が設けられ、来場者の鋭い質問に対する天野氏の危ない(?)回答が続々飛び出した。

ユーザーの「来年ですが、今度は"なんちゃってオクタコア"ですか」という質問に対しては、「"よりなんちゃってオクタコア"なら出るかもしれません。シリコン2個付けの"なんちゃって"はないでしょう」。「最近某社さんのクアッドコアが安いですが」という質問には、「あれは年末のバーゲンです。なんでバーゲンしているのかは知りませんが、特殊な事情でしょう」。同じく某社のトリプルコアについての質問では、「45nmの歩留まりが滅茶苦茶悪くなればインテルも出すのでは(笑)」と、歯に衣着せぬ発言の応酬で会場は大盛り上がり。

一部で噂になっていたというYorkfieldのエラッタについての質問もあった。これについて天野氏はまず、Yorkfieldが安心して利用できる製品であること明言。その上で、「エラッタのないCPUは存在しない」という一般論を述べ、そもそも現代のCPUでは、エラッタとは発見されるか、されないかというものであることも説明する。インテルでは問題があればきちんと説明し、対応は怠らないので、これからも安心して使って欲しいとのことだ。

ASUSの新型マザーボード多数、未知のチップセット搭載製品も

2日目でもうひとつ注目したいのが、ASUSによるマザーボード製品に関するプレゼンだ。EPUや可変電源回路、Stack Cool 2といった同社最新マザーボードに搭載されている独自機能について詳細な解説が行われたほか、未知のチップセット搭載製品を含む同社の未発表マザーボードが多数公開され、来場者を驚かせた。

登壇したのはASUS広報担当の岩崎晋也氏

まずは最新ASUSマザーの魅力を4つの独自機能でアピール。写真はCPUの電力管理専用チップ「EPU」の詳細だ

電源フェーズ回路にも独自の機能が。使用するフェーズ数を負荷に応じて可変させ、高効率を実現

マザーボードの見た目だけではわかりづらいStack Cool 2の解説も

コンデンサの品質の高さも特徴だ

上記の4つの独自機能を搭載する現行マザーボード製品がこちら

当日公開されたマザーボードではまず、会場内のASUSブースに実機展示も行われている「P5E3 Premium/WiFi-AP @n」。X48チップセットを搭載し、Intelプラットフォームのデスクトップでは最上位モデルのひとつとなる。DDR3-1800対応、Linux OSの内蔵などが主な特徴だ。

同社はX48チップセット搭載製品を合計で3モデル予定しており、ほか、Maximusシリーズの上位と見られる「Rampage Extreme」(DDR3-1800対応、R.O.Gシリーズ)、「Rampage Formula」(DDR2-1200対応、、R.O.Gシリーズ)の2モデルとあわせて、来年2月に発売となる見込みだ。

X48シリーズは3モデルが予定される

「P5E3 Premium/WiFi-AP @n」については会場内に実機も展示されている。あくまでサンプルだが動作品だそうだ

NVIDIAのnForceチップセットを搭載する新マザーボードも注目だ。紹介されたのは全4モデル。うち3モデルは1月発売予定で、nForce 780i SLIを搭載する「P5N-T Deluxe」(DDR2-1066/3-Way SLI対応)、同じくnForce 780iを搭載する「Striker II Formula」(DDR2-1066MHz/3-Way SLI対応)、nForce 750i SLIを搭載する「P5N-D」(DDR2-1066MHz対応)。2月発売予定の1モデルが「Striker II Extreme」(DDR3-1066MHz/3-Way SLI対応)で、こちらは"C73"のコードネームで呼ばれる未発表チップセットを搭載している。なお、P5N-T Deluxeに関しては年内に極少量が店頭に並ぶ可能性もあるそうだ。

「C73」は、その仕様から、恐らく780i SLIに+10くらいの数字を足した型番で登場する可能性が高いとか