映画『魍魎の匣』の初日舞台挨拶が22日、都内で行われた。前作に当たる『姑獲鳥の夏』に続いて主演した堤真一を筆頭に、阿部寛、椎名桔平、田中麗奈ら主要キャストとスタッフが観客の前に登場した。
終戦後の東京で起こる美少女連続殺人事件と、不幸をハコに封じ込めるという謎の教団の事件、そして巨大なハコ型の建造物を巡る事件という3つの事件が複雑に絡み合い、その解明に古書「京極堂」店主が、友人の作家や私立探偵、刑事と共に挑むというのが『魍魎の匣』の物語。原作刊行時、映像化不可能とも言われていた作品だ。
監督を勤めた原田眞人がまずは「評判が良いみたいで嬉しいです。同日公開の『ナショナル・トレジャー』には負けません(笑)」と笑顔で語った。続いて、主役の中善寺を演じた堤真一が「内容は複雑な作品ですが、是非皆さんもついてきて下さい」と観客に語れば、私立探偵・榎木津を演じた阿部寛は「久々のクールな二枚目の役です。オープニングも僕の瞳のアップですし」と笑いを誘うコメントを。そして、作家の関口を演じた椎名桔平は「堤、阿部、僕の3人は同い年。同い年の3人で共演できて幸せです。ニコラス・ケイジも同い年らしいんで、『ナショナル・トレジャー』には負けられませんね(笑)」と力強く宣言した。
前作に引き続いて中善寺の妹・敦子を演じた田中麗奈は「このメンバーと同じ映画に出演できるだけで幸せ。映画を観てくれた父も『若い人だけでなく、大人が観れる映画だ』と褒めてくれました」と笑顔。原作者の京極夏彦は「この原作は僕が出版社に依頼されて書いた初めての作品です」と執筆秘話を明かした。映画に関しては「原作というよりは、同じ題名の同じ事件が観られる映画という風にとらえています。素晴らしい作品で、もの凄く驚かされました。『ナショナル・トレジャー』に負けてません!」と語った。
本作の演出については、原田監督が「各俳優さんのジャム・セッション的な演技が多く、それを生かしたました。最初の案が実現できないとわかった時には、すぐに皆で代案を出して試してみたんです。それが、全て良い方向に向かった」と真面目に語れば、阿部は「僕は眼に特殊な能力がある設定。とにかく僕の眼のアップに満足してます」とあくまで笑いを誘う。すると、負けじと椎名も「僕は意識してキュートに演じました(笑)」とお茶目にコメント。堤は「椎名がこんなに喋るやつだとは、共演するまで知らなかった。同作は僕だけではなく、こんな皆と一緒に中善寺というキャラを作っていったという感じです」と語った。
『魍魎の匣』は渋谷東急ほか松竹・東急系にて全国ロードショー中。