新作映画『ペネロピ』のプロモーションのため、クリスティーナ・リッチが14年ぶりに来日を果たし、19日都内で会見が開かれた。髪をブロンドのショートボブにし、胸元の開いたグリーンのワンピースで登場。指先のネイルは赤で、クリスマスをイメージさせるキュートな雰囲気だった。
名家の一人娘・ペネロピは、先祖の悪行による呪いのせいで、豚の鼻と耳をもって生まれてきた。一家は社交界で注目を浴びる存在。そのため、世間から奇異の目で見られることを避けるべく、嘘の葬式を行って彼女を死んだものとし、屋敷の中だけで生活させることにした。
18歳の誕生日を迎えるとお見合いの連続。自分たちと同じ、名家の男子が彼女の呪いを解くものと考えた家族は、次から次に見合いをさせたのだ。彼女の姿を見た者たちは一様に驚き、恐ろしさのあまり逃げ帰る始末。花婿は見つからず、口止めされた元候補者が増えるばかりだった。
そんな生活が7年も続いたある日、いつものように見合いから逃げ帰った男と口止めの契約を結ぶことに失敗。その男の話を聞き、「豚人間」は本当にいると確信した新聞記者は、ペネロピの家にスパイとしてマックス(ジェームズ・マカヴォイ)を派遣する。惹かれ合うペネロピとマックス。そして、思わぬ方向に物語はまわりはじめ、とうとうペネロピは外の世界へ足を踏み出すことに……。
ホラー・コメディの大ヒット作『アダムス・ファミリー』のウェンズデー役で名をはせた彼女も、今年で27歳。大成できないと言われることの多い子役から見事に大人の俳優に脱皮し、『バッファロー'66』『モンスター』などメジャー映画からインディーズまで幅広く活躍している。
この映画の主人公・ペネロピの魅力を聞くと、「強さにとてもひかれました。25年間も家に閉じこめられていたのに、そんな環境でも自分らしくあって、自分の世界を作り出すところがすごいなと思います」と話した。
"豚鼻"については、「付け心地はそれほど不快ではありませんでしたよ。付けるのに1時間半もかかるんですけど。ただ、どうしも演技をしていると気になりました。スクリーン・テストのときの鼻は、本番に使ったものよりもっと醜いもので、監督と特殊メイクの方以外はみんな良くないと言って。私もそう思ったので、もう少しかわいいものにしてくださいとお願いしました」。
この作品で製作陣に名を連ね、アニー役も演じたオスカー女優のリース・ウィザースプーンとは長年の友人だという。「他人に求めるものが大きい人なので、彼女の制作会社での一本に、私を主役として選んでくれたのはうれしかったです。オスカーなどがあって、彼女はなかなか現場に来られなかったんですが、来ると楽しくて。本当におもしろい人で頭のいい人なんですよ」とコメントした。
最後に「ペネロピという役は大好きなキャラクターです。女性、とくに若い女の子たちに見てもらって、生き方のモデルになれたらいいと思います。コンプレックスに負けずに踏み出し、自分をありのまま受け入れるということを感じてほしい。白馬に乗った王子様に助けれるわけじゃなくて、自分自身が白馬に乗った王子様になる、ということをわかってもらえたらなと思います」と語った。
全米公開は来年2月10日予定。日本では来年早春、テアトルタイムズスクエアほか全国順次ロードショー。
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