ちみなにオート設定のライティングに不満が出た場合でも、STRATA DESIGN 3D[in]に戻ってライティングを微修正することもできる。そういった意味ではSTRATA LIVE 3D[in]で綺麗な3D PDFや3D Webコンテンツを作成したければSTRATA DESIGN 3D[in]は持っていたほうがよいだろう。例えば、【図11】【図12】のようにPhotoshopでのプレビューイメージがそのまま正確に反映されないこともあるので、自分なりのデータ整理も兼ね、やはりいくつかのデータで実験を繰り返してみることをお勧めする。

【図11】オブジェクト表示設定を「原色ライト」、ライト設定を「デイライト」に設定した状態をPhotoshopで確認した状態

【図12】オブジェクト表示設定を「原色ライト」、ライト設定を「デイライト」に設定したデータを3D Webに書き出した状態

なお、テクスチャーバンプ処理など、STRATA側で用意されているレンダリング結果をそのまま反映できない点は残念だ。また、PDF[in]の場合はAcrobat側の問題で3Dコンテンツの背景として画像を表示できないため、強制的に単純な色ベタの背景になってしまう。近い将来のバージョンアップに期待したい。全般的に使っていて楽しく、面白いツールだが、次期バージョンではトゥーンレンダー処理結果を3Dコンテンツとして利用できるようにして欲しい。

これほど手軽に3D PDFや3D Webコンテンツを作れるツールはこのSTRATA LIVE 3D[in]だけである。ライティングの微調整を行わなければ、Photoshop CS3 Extendedで読み込めるファイル形式の3Dデータさえ用意できれば、DESIGN 3D[in]やFOTO 3D[in]が無くても活用することができる点にも好感が持てる。

デザイナーの視点でこの製品の用途を考えると、PDFあるいはWebを利用し、キャラクターサンプルの確認等ユニークな使い方が可能である。あるいは、簡単な商品パッケージ等を3Dで作成して全方向から確認するといったアプローチも可能になった。

STRATA 3D[in]シリーズ3つ全てを揃えることで強力なクリエイティブツールとなることは確かだが、それぞれを個別に利用する事も可能であり、仕事内容により吟味してみるとよいだろう。特にデザイナーの視点で見たとき、今までにないアプローチが可能になった点に注目すべきである。

個人的にはデザインワークだけでなく、他社製品の3Dツール等も組み合わせ、色々な3D作品をこれからは積極的にSTRATA LIVE 3D[in]などで発表してみたいと考えている。