省電力化への取り組み
丸山氏は"省電力プラットフォーム"の取り組み成果の事例として、2007年度末に製品化を予定している、省電力型サーバの「ECO CENTER」を紹介。同製品は1ラックに500コアを搭載し、コアあたり60%の消費電力の削減を実現しているという。また、半導体ディスクの採用や、サーバ強度や電源などのラック全体の機能を最適化することにより、約60%軽量化し、フロアスペースを75%削減できることが特徴だ。丸山氏によると、その結果として「ファシリティコストは約60%削減できる。フロア代と電力コストが年間505万円から195万円にまで抑制することが可能だ」という。また、1つのCPUのみで稼動するスタンバイノードによる省電力クラスタシステムを採用し、消費電力30%抑制を実現した企業向けサーバ「NX7700i」のデモンストレーションを行うなど、そのほかのNECの省電力製品が紹介された。
また「消費電力の抑制はこまめにスイッチを切ること」とし、NECの省電力制御ソフトウェア「Sigma System Center」を紹介。サーバ、筐体、ラックなど、各要素ごとの使用量を制限して総消費電力の許容量超過を防止する機能や、サーバ使用率を最適化して余剰サーバの電源を自動で機能、マシンが設置された室内の温度や湿度、電力を監視してホットスポットを検出し、高温度のサーバを再配置し発熱の平準化と空調制御を行う冷却効果による省電力を実現する機能を2008年度上期から2009年度にかけてリリースしていくことを明らかにした。さらに、データセンターやマシン室の空調設備などの付帯設備に対して消費電力の低減と省エネ運用を提案するファシリティサービスを、2008年1月からグループ会社のNECフィールディングにより開始されるという。
最後に、ゲストとして登場した桔梗原氏は「NECの魅力は総合力にある。こうした環境分野、消費電力の問題に対して、これからも業界をリードしていってほしい」、中井氏は「いまやコンピュータなしでは生活できない時代。こうした問題は真剣に取り組んでいかなければならない」とコメントし、講演を締めくくった。