3年以内に3分の1のデータセンターで消費電力が施設の最大容量を上回る

NECの環境問題への取り組みは、1970年に公害防止の専門部署を設置して以降、「ケナフ繊維強化バイオプラスチック」や、電気自動車向けリチウムイオン電池(NECラミリオンエナジー)の開発など、これまでに多くの成果を残している。さらに、2002年度からは"IT、で、エコ"を環境経営コンセプトに「NEC環境経営ビジョン2010」を策定し、2010年におけるCO2排出実質ゼロを謳っている。

NECが社会貢献活動として行っている「NEC田んぼ作りプロジェクト」により生産されたNECブランドの日本酒「愛酊で笑呼」(アイティーでエコ)

丸山氏はまず最初に、環境問題に対するNECのこうした積極的な活動を紹介した上で「今危ないのはデータセンターの消費電力だ」と述べ、日経コンピュータ誌に掲載されたデータセンターにおける消費電力の調査結果を紹介した。調査によると、1年以内に消費電力が施設の最大容量を上回るデータセンターは1年以内に12.0%、3年以内に36.7%にのぼり、ほぼ半数が3年以内に危機的状況に陥る。また、データセンターにおける消費電力コストの内訳は、IT機器が42.3%と大部分を占めている。

こうしたなか、IT環境の省電力化を実現する技術・製品・サービスの開発・提供を推進する計画と活動としてNECが行っているのが"REAL IT COOL PROJECT"だ。このプロジェクトを通してNECはユーザーのIT環境の消費電力を2012年までに最大50%削減することを宣言し、"省電力プラットフォーム"、"省電力制御ソフトウェア"、"省電力ファシリティサービス"の3つの視点から、消費電力削減のための各種取り組みを行っているという。