無謀なスタントにガチンコで挑戦して人気の『Jackass』が、今度は映画館越えに挑む。2002年の映画第1作『jackass: the movie (ジャッカス・ザ・ムービー)』が米国で6,400万ドル、2006年の『jackass number two』が同7,300万ドルの興行収入を上げたにも関わらず、最新映画作品の『jackass 2.5』をオンラインでプレミア公開する。

Jackassは、護身グッズを検証するというストリート雑誌の企画で、それらを実際に試してのたうち回る姿が面白かったことから誕生した。00年~02年にMTVでシリーズ番組として放送され、スタンガンを自分に試し撃ちしたり、使用中の簡易トイレをつり上げたりと、常軌を逸した危険なスタントと悪ふざけで大人気に。02年に映画版が誕生した。

jackass 2.5は上映時間64分。最新スタントとnumber twoでカットされた未公開シーンで構成される。プレミアは12月19日。米国の映画レンタル最大手Blockbusterの特設サイト(準備中: http://www.blockbuster.jackassworld.com)で公開される。続いて12月26日にDVD版の販売およびレンタルが始まり、08年1月1日からは広告ベースの無料動画配信サービスでも視聴可能になる。さらに08年2月にはケーブルや衛星サービスを通じたビデオオンデマンドでの提供が開始される予定だ。

jackass 2.5

Paramount配給でも映画館では上映されない。そのため2.5はDVD作品にすぎない、number twoに続く映画作品は08年1月より撮影開始予定の"jackass 3"だという声も聞こえてくる。だが、配給するParamount Pictures Digital Entertainmentは、2.5が映画作品の新たなビジネスモデルを模索する実験的な試みであると強調する。映画館に足を運ぶコンシューマが減少し、一方でネットでのユーザー生成型コンテンツ(UGC: User-Generated Content)が人気を博す中で、ネットユーザーを映画の収入源とするモデル作りに挑む。Jackassの場合、比較的低予算で製作(2.5は200万ドル以下)できるので失敗してもダメージは少ない。またUGCの先駆けと言えるような内容がネット世代にアピールしやすいため、映画のオンラインプレミアの試金石に最適と見ている。

ただYouTubeなどでは連日、Jackassフォロワーが過激なスタントを公開しており 、ネットユーザー相手に本家が苦戦する可能性も否めない。