ジャストシステムは11日、「一太郎2008」や「ATOK 2008 for Windows」などを含む7つのソフトウエアとこれらソフトウエアをワンパッケージにしたオフィス統合ソフト「JUST Suite 2008」を発表した。JUST Suite 2008は2月8日に価格25,000円(税別)で発売される。対応OSはWindows 2000(SP4) / XP / Vista。2GBのHDD空き容量が必要となる。同時に単体で発売される製品は以下の通り。

製品名 価格(税別) 発売日
「JUST Suite 2008」 25,000円 2月8日
「一太郎2008」 20,000円 2月8日
「ATOK 2008 for Windows」 11,000円 2月8日
「三四郎2008」 5,000円 2月8日
「Agree 2008」 7,800円 2月8日
「花子2008 [書籍セット]」 9,800円 2月8日
「Shuriken 2008」 4,800円 / ダウンロード版3,500円 2月8日

なお、同社のオンラインショッピングサイト「Just MyShop」にて予約を受け付けており、あわせて「一太郎2008・JUST Suite 2008 新発売キャンペーン」(2008年2月1日10:00まで)を実施している。期間中に予約を行うと「JustSystemsオリジナル ミニドライバーセット」をはじめ特典が付く。

JUST Suite 2008

オールインワンパッケージとなるJUST Suite 2008では、「つながるSuite JUST Suite 2008」をコンセプトに、今回発表された7つのソフトウエアと共に新機能「SuiteNavi」を搭載する。SuiteNaviは3ペイン型アプリケーションの形態を採り、左ペインに表示されるディレクトリまたは検索タブからファイルを選択するだけで、対応アプリケーションを起動することなく右ペインにファイルの中身を表示。下ペインに表示される対応アプリケーションをワンクリックで起動、そのまま編集できる。「JUST Suite 2008」搭載ソフトのファイルだけでなく、Microsoft Officeやテキスト、画像ファイルなどにも対応する。また、下ペインに表示されるメニューにはZIP圧縮、PDF変換、メール添付などの「出力・変換」機能が存在するので、「表示させているデータ」をZIP圧縮してメール送信するというような使い方も可能。アプリケーションを立ち上げずに軽快なファイル操作を実現している。このSuiteNaviを使いこなすことによってWindows自体の操作を「アプリケーション」主体の操作から「ファイル」中心の操作へと変えることも可能となる。

JUST Suite 2008

ファイル中心のライフハックツール「SuiteNavi」

一太郎2008

一太郎2008では、エディタフェーズでの自動連番機能や段落番号表示などの新機能、ビューアフェーズでは、複数ページ表示への対応、アウトラインフェーズでは文書タイトルと署名入力ダイアログの搭載など多数のフェーズ機能強化が図られている。文字関連ではWindows Vista標準搭載のMSフォントやOpenTypeフォントに定義されている異体字の入力に対応するほか、カタカナや数字、アルファベットにもふりがなをふることが可能となった。

添削機能では専用画面が搭載され、文章の追加・削除の情報や添削者氏名などの情報を自動的に吹き出しで表示し、コメントなどの記入も可能となった。また、同じく新搭載の「添削ナレッジウィンドウ」を使えば、添削された内容が一覧表示され、添削の反映状況なども一目で確認できる。また、校正には同社のソフトウエア「Just Right!3」相当のエンジンが利用される。そのほかWord形式文書、OpenDocument形式の読み込み・保存精度を向上させたほか、Word 2007形式(.docx)にも対応する。

一太郎2008

添削機能画面

ATOK 2008 for Windows

ATOK 2008では、変換エンジン「ATOKハイブリッドコア」のアルゴリズムがより強力なものへと置き換えられた。変換時の文節の区切り位置の精度が高まり、これによりスムーズな日本語入力が実現。たとえば、このエンジンを搭載することによって従来バージョンでは「請求書の / 市は / 来日時」という変換が、「請求書の / 支払い / 日時」という変換へと改善される。また並列で使われることの多い数詞や助数詞を連動して変換する「次候補連動変換」を搭載。「501ごうしつ502ごうしつ」と入力して「501」を「五〇一」と変換すると、「502」も連動して「五〇二」に変換できる。

またATOKの拡張フレームワークとなる「ATOKダイレクト」を搭載し、WEBサービスやAPIを利用したインターネットコンテンツ、アプリケーションとの連動を可能にした。ATOK 2008の発売と同時に「ATOK ダイレクト for はてな」、「ATOK ダイレクト for 乗換案内」、「ATOK ダイレクト for goo」を同社Webサイト「ATOK バリューアップサービス [ベータ]」においてダウンロード提供する。たとえば、「ATOK ダイレクト for はてな」をプラグインとして導入した場合、「@はてな」と入力すると人気Webサイト「はてなダイアリー」の注目のキーワードを順に100個、変換項目に表示させるといった使い方が可能となる。

ATOK 2008 for Windows

ATOKの拡張フレームワークとなる「ATOKダイレクト」

三四郎2008

三四郎2008では、カード型編集機能が新搭載された。住所録や在庫表のようなデータを扱う場合、データが記述してあるワークシート上に「カード型編集ダイアログ」が表示され、このダイアログを使ってレコードの追加や削除、検索、ソート、絞り込みなどを行うことができる。また計算関数では要望が高かったという「SumIF関数」と「CountIf関数」が追加された。そのほか、テンプレートにはビジネス、学校・教育、プライベートに活用できる「よく使うテンプレート」を約70点収録している。

三四郎2008

便利な「カード型編集ダイアログ」搭載

Agree 2008

Agree 2008ではMicrosoft PowerPointとの互換性の向上が図られている。PowerPointのスライドマスター、コネクタ、回転やグループなど複雑なプロパティが付いた図形、花子でPPT形式保存したファイルなどの互換性が向上した。また、TVなどのフリップでよく見られる、シールで隠されたエリアをはがす演出ができる「めくり」、スライド再生時に一部のみにスポットライトをあてる「スポットライト」、注意を引くためにマウスポインタを突然拡大する「大きなマウスポインタ」などの機能が加わった。その他、Flashファイル形式のムービーの挿入、複数ファイルを使った連続スライドショーなども新機能として追加された。人物や地図など日本向けの素材として15,000点、日本のビジネスシーンにあったデザインテンプレート118点などを収録する。

Agree 2008

新機能のスポットライト機能

花子2008

花子2008では、画面上の自由な位置への文字入力を可能とする「オートマーカー」が新機能として搭載された。文字を入力したい場所をクリックするとその場所にマーカーが表示され、指定位置への入力操作が容易になるほか、図形やタイトル文字などに施すエフェクト機能が追加、ドロップシャドウ、光彩、反射の3種類の効果を設定できる。また、クリック操作による画像データの挿入や入れ替え、花子2008上でのトリミングなど画像データの編集機能が向上している。

花子2008

画面右側の9月の下にあるマーカーが「オートマーカー」

Shuriken 2008

Shuriken 2008ではメールの効率的な整理を行う機能と迷惑メール対策機能が強化された。フォルダウォッチ機能は、設定をONにしておけばフォルダ選択の操作をすることなく各フォルダの新着メール見出しをまとめて確認できる。見出しの上にマウスカーソルを乗せるとメールのプレビュー画面がポップアップで表示される。わざわざメールを開く手間を省き、溜まった未読メールを軽快に流し読むといった使い方も可能となる。また、「受信箱」の自動クリーンアップ機能を追加。メールの玄関口ともいえる受信箱に、いくつかの設定を行うことで大量に溜まる不要メールの処理を自動化する。迷惑メール対策では、従来の学習型迷惑フィルターを二重化した「迷惑フィルター ダブルディフェンス」を搭載。一般的な迷惑メールの除去に加えて、ユーザーごとに異なる迷惑メールや新種の迷惑メールをブロックする。

Shuriken 2008

「フォルダウオッチ機能」では軽快な未読メールの流し読みが可能

JUST PDF [作成・編集]

PDFの作成では、一太郎で作成した文書はもちろん、Word / Excel / PowerPointにもアドインメニューとして組み込まれ手軽に文書をPDF化できるほか、印刷メニューや右クリックからのPDF化にも対応する。また、複数ファイルのPDF変換機能を搭載、拡張子の異なる複数のファイルも一度にPDF変換可能となった。編集機能では、複数ページのPDFの挿入やトリミング、しおり / 付箋といった機能を利用できる。PDFに線や四角形、楕円などを書き込める描画ツール、「承認」「機密」「社外秘」などよく使われるスタンプも用意されている。