インテルは10日、報道関係者向けの定例アップデート会見を開催した。今年最後のアップデートということから、年間を通しての注目の話題を振り返る内容が中心だ。
なお同社は2007年について、大きな変革を実現できた年とアピールしているが、それはあくまでも"通過地点"とのことで、当然今後もPC市場の発展を強力に推し進めて行きたいとしている。会見では2008年以降の展望や動向についても多くが語られている。
いつものようにインテル代表取締役共同社長の吉田和正氏が登壇。まずは2007年のハイライトとして、同社の「10大ニュース」を発表した。
上のスライドを見ての通り、なによりも重要と位置づけられているのはやはり、High-k素材とメタルゲートを採用した45nmプロセスのプロセッサ製品を発表したことだ。2008年には、この45nmプロセスをべースとした「Nehalem」(開発コードネーム)世代のプロセッサが控える。
さて、その項目の中でも特に今回は「鉛およびハロゲンフリー」という部分、つまり環境への配慮という部分が強調されていた。吉田氏は、今後インテルが45nm High-k プロセス・テクノロジーの製品を「エコプロセッサ」と位置づけ、環境にやさしい製品を投入していく方針であると説明している。
"10大ニュース"の中にもいくつか関連項目が登場しているが、モバイル・コンピューティングに関する話題もクローズアップされていた。吉田氏が2008年以降の展望として「今後はますますモビリティの重要度が増していく」と述べるように、同社にとっても特に力を入れている分野だ。さっそく2008年の製品としてSanta Rosaに連なる新プラットフォームや、WiMAX環境の本格化が見込まれている。
さらにその次には、Menlowプラットフォームに代表される"ウルトラモビリティ"分野へ注力して行く意向も表明されている。「全世界的にモバイルの比率が上がっていく。2008年にはWiMAXをはじめとしたモビリティの新技術が次々と登場する」(吉田氏)。
モバイル・コンピューティングのほかにもうひとつ、同社が2008年に力強く進めたいとして訴えるのが、パーソナル・テレヘルスの必要性だ。日常生活における健康管理・疾病管理の課題に対するもので、同社が以前から取り組んでいるデジタルヘルスに関連する内容となっている。
高齢化が進み、慢性疾患が増加している現代において、医療関連の費用は増加し続けている。ITを利用することで、パーソナル・テレヘルスの実現に必要なそれぞれの構成要素を標準化された技術で効率的に活用できるよう、エコシステムの構築を目指し、いずれは"プラットフォーム"の投入に繋げて行くつもりだという。
インテルはまた、パーソナル・テレヘルスとあわせて、シニア向けの活動も積極的に進めて行く意向だ。PCライフのバリアフリーをコンセプトに謳っており、今年の7月にはシニアPCのガイドラインや仕様書を作成する段階まで到達するなど、活動実績も出始めている。