Sunはブレードシステムや3456PortのInfiniBandスイッチなどに加えて、買収したStorageTek社系の製品である大型のテープライブラリシステムを展示していた。
Sunのテープライブラリシステム。(左)概観、(右)Sunロゴのついたロボットヘッドがテープカートリッジを取り出してRead/Write部へ運ぶ。 |
この巨大な筐体のSL8500テープライブラリは、最大構成では500GBのテープカートリッジを30万本収容でき、150PBの容量をもっている。但し、ロボットヘッドが物理的にカートリッジを運ぶので、アクセスには最大11秒を必要とする。
Sunの3456Port IB Switch。左上が前面の外観。左下が前面から挿入するノードボード。右は裏側から縦方向に挿入するスイッチボード。 |
スパコンシステムの計算ノード間の接続にはInfiniBandがよく用いられるが、これまではVoltair社の288ポートのスイッチがポート数として最大であったが、Sunは3456Portという巨大なスイッチを発表し、今回、その巨大スイッチを展示していた。なお、このスイッチは、テキサス大学のスパコンセンターであるTACC(Texas Advance Computer Center)の500TFlops超と言われるスパコンシステムに使用される予定である。なお、このTACCのシステムは、クワッドコアOpteronの供給の遅れか、あるいは、この3456ポートSWも遅れの原因の一つという噂もあり、結局は、今回のTop500へのエントリには間に合わなかったようである。
写真に見られるように、装置前面には24列2段のコネクタをもつノードボードが24枚挿入され、合計で1152個のコネクタが並んでいる。そして、それぞれのコネクタが3ポートのInfiniBandをサポートしており、全体で3456ポートという数になる。Sunのブレードとは3ポートをまとめたケーブルで接続されるが、単体のポートのシステムに接続する場合は、3分岐ケーブルを使用する。
この3456PortのIBスイッチはMellanox社の24PortのスイッチLSIを使っており、各ノードボードは12個x2段のスイッチLSIが搭載され、背面からは8個のスイッチLSIを載せたスイッチボード18枚がノードボードと直交する方向に挿入されて、3456ポートのClos網を構成している。
Mellanox社のブースではVoltair、IBMのブレード、HPのブレードも同社のスイッチLSIを使っていると展示されており、InfiniBandスイッチは、殆どの製品がMellanoxのチップを使っているようである。
汎用CPUとは桁違いの数の浮動小数点演算器を搭載し、高性能で演算処理を行えることから、NVIDIA社やAMDのGPGPU(汎用グラフィックスプロセサ)やClearSpeed社の浮動小数点演算アクセラレータを科学技術計算に使用するというのが流行であり、こられをアクセラレータとして組み込めるというシステムも多く展示されていた。次の写真は、Sunのブースにあった筐体でSunのサーバを上段に搭載し、下側にはNVIDIA社のGPGUのアクセラレータを搭載している。また、HPなどもNVIDIAやClearSpeedのアクセラレータボードの搭載が可能と述べていた。
左はSunのブースにあったSunサーバとNVIDIAのアクセラレータを同一筐体に搭載したシステム。右上はNVIDIAのGPGPUアクセラレータのTESLA 8870の外観と内部。 |
NVIDIAのTESLA 8870は4個のGPUモジュールを搭載しているが、写真に見られるように、対角線に位置するモジュール同士が同じ向きで、隣接するモジュールは互いに裏向きに搭載されている。多分、配線の関係であろう。
StarBridge Systems社のシステムはFGPAによるアクセラレータであるが、右側の写真のボードには、片面にFPGAが10個搭載され、裏面にはFPGAボードとメモリDIMMが挿入されている。このDIMMに替えてFPGAボードを挿すことも出来るとのことで、全部をFPGAボードにすると、全体では40個以上のFPGAが乗ることになる。また、装置後方に、一見、DIMMかと思うような格好で乗っているのは実はSATAディスクであり、合計72台が搭載されている。
StarBridge Systems社のシステム(左)装置の後方にDIMMのように72台のSATAディスクが立っている。(右)装置前方に入るFPGAボードの表面と裏面。 |
あまり目立たない展示であったが、インタコネクト関係では、Woven社も144ポートの10Gbit Ethernetルーターを展示していた。こちらはFulcrum社の24ポートの10GbEのルータチップに、同社独自の制御LSIを開発して混雑の解消などのインテリジェンスを加えており、Sandia国立研究所の実験結果では、かなり良い成績であった。写真のボードの左側の3個の黒いLSIがWoven社の開発したチップで、右側の銅のヒートシンクが付いているのがFulcrumのスイッチLSIである。
Wovenの144Port 10GbEスイッチとボード。 |