ポルシェAG(ドイツ)は、2008年のモータースポーツシーズン用に、最高出力を420PSに高めたニュー「ポルシェ 911 GT3カップ」を投入する。これは「ポルシェ・モービル1・スーパーカップ」や、日本を含め世界各地で開催される「ポルシェ カレラカップ」「GT3カップチャレンジ」といったレース用のモデルで、公道走行は不可。このカテゴリのモデルとしては記録的といえる265台が生産される。

ポルシェ 911 GT3カップ

「ポルシェ 911 GT3カップ」は量産モデル「911 GT3」をベースにしたレース車両。3.6L(リッター)6気筒水平対向エンジンは最高出力420ps。6速のシーケンシャルトランスミッションを搭載し、フルスロットル状態でクラッチを切ることなくシフトアップできる。車重は1,150kgで、パワーウエイトレシオは2.7kg/ps。

ポルシェ・モービル1・スーパーカップ参戦用の26台には、ポルシェ・セラミックコンポジット・ブレーキ(PCCB)や専用エグゾーストシステムを装備。PCCBは従来のブレーキディスクに較べ、バネ下重量が20kgも軽く、レスポンス、耐フェード性および耐久性に優れている。カレラカップ参戦車両には新しいエグゾーストシステムと鋳鉄製のブレーキディスクを装備する。このカレラカップ車両のうち、ポルシェ カレラカップ ジャパン参戦用の8台はすでに完売している。

主な諸元は以下のとおり。水冷水平対向6気筒、3,598cc(ボア・ストローク99.98×76.4mm)、最高出力420PS(309kW)、最大トルク420Nm、最高回転数8,400rpm、無鉛ハイオクガソリン(98RON)、触媒付き競技用エグゾーストシステム、シーケンシャル6速トランスミッション+ドグクラッチ、水冷式オイルクーラー、エアジャッキ、難燃性のフルバケットレーシングシート(ドライバーシートのみ)、燃料タンク90L、サスペンション:ストラット式(F)/マルチアームアクスル(R)、ブレーキ:φ380mmベンチレーテッドディスク+6ピストンキャリパー(F)/φ350mmベンチレーテッドディスク+4ピストンキャリパー(R)、3ピース構造BBS軽量軽合金製ホイール(9J×18/11J×18)、センターロックシステム/重量:約1,150kg。

ポルシェ 911 GT3カップ