Mono Projectのプロジェクトリーダーを務めるMiguel de Icaza氏は、公式ブログ上で今後のMac OS Xプラットフォームへの取り組み方針を明らかにした。ブログ上には、今後リリースされる予定のMac OS X Leopard上でネイティブに動作するWindows.Formsベースのアプリケーションや、GTK#ベースの統合開発環境「MonoDevelop」のスクリーンショットが掲載されている。
ブログに掲載された記事では、クロスプラットフォーム指向で開発されてきたMonoの経緯を示したうえで、現状のWindows.Forms (.NETフレームワークの入力インターフェイスセット)互換機能がX11用に実装されたこと、一方MacユーザはXサーバを必要としないOS標準のインターフェイス (Aqua)を指向したことを指摘。プロプライエタリなOSをサポートしたくはないが、と前置きしたうえで、プロジェクト進展のためにMac OS X対応を強化する戦略を紹介した。
第1点は、GUIの改良。次期バージョンのMono 1.2.6ではWindows.Formsがネイティブサポートされ、Windows.Formsを使用したアプリケーションの操作性が向上するという。Windows.Formsのサポートは、次のMono 1.2.7でさらに改良される予定。
第2点は、Imendio社が進めているGTK+ 2移植プロジェクト「Gtk+ for Mac OS X」の採用。Gtk+ for Mac OS XとGtk#を配布物に含めることで、MonoDevelopなどのアプリケーションがX11なしに動作するようになるという。
さらに、MonoDevelopのMac OS X用バイナリパッケージの配布、およびサポートの提供を行う方針も明らかにした。MonoDevelopについては、Windows版の提供も開始される予定。また、優先順位は低いと前置きしたうえで、Objective-CとMonoをブリッジする「Objc-Sharp」と「Cocoa#」のサポート計画も明らかされている。