西武鉄道は5日、2008年4月から運行を営業運転を開始する新型車両「30000系」の内外装が決定したことを発表した。30000系は「Smile Train(スマイル トレイン)~人にやさしく、みんなの笑顔をつくりだす車両~」という開発コンセプトに基づき、アルミダブルスキン構造による安全面、機器の2重化による可用性、省エネルギーやリサイクルを考慮した環境性能を向上させている。

特に内装は社内女性社員の意見を採り入れたとのことで、"たまご"をモチーフとした斬新なデザインとなった。釣り手や貫通扉の衝突防止表記や袖仕切りなどにオリジナルデザインのたまご型を採用した他、荷物棚や手摺りも曲線的なデザインとした。ドーム型の天井は開放感を高め、優先席は背ずり部分にハート柄を採用して優しさをイメージさせているという。窓ガラスは紫外線や赤外線を遮断するガラスを使用しているが、色の濃いガラスではなく、明るいのグリーンのガラスを採用した。これは車内を明るくしたいという女性社員の要望で、日射しが強いときのためにロールスクリーンも設置している。また、釣り手や握り棒を抗菌加工とし、車内環境に配慮している。

釣り手やドアと座席の仕切りなどにたまご型を採用した。座席はひとり分の幅を明確にし、定員で着席できるよう促す

優先席はハートマーク柄。2座席ならぶと笑顔を連想させる

"たまご"というモチーフについて西武グループ広報部は、「西武グループの"新生"をイメージして"たまご"を選びました。また、西武グループの新スローガンである"でかける人を、ほほえむ人へ。"もテーマとしており、少し離れて優先席を見るとハートマークが目のように見え、ほほえんだ顔になるようにデザインしています」と説明した。

先頭車付近の車いすスペース。窓の下のハッチには通勤電車初の固定用ロープが収納されている。その下は車いす用ヒーター吹き出し口

30000系は、新生西武鉄道の象徴となる車両として120両が山口県の日立製作所笠戸工場に発注された。2008年の1月に第1編成が引き渡され、習熟運転を実施した後、2008年4月に新宿線で営業開始する予定だという。2008年は新宿線に8両編成2本、池袋線に8両編成1本が導入され、4月にはデビューイベントも予定されているとのことだ。