Model[in]
Model[in]には、2つの機能が存在する。まず新規に3Dオブジェクトを作成する場合には、【図01】のように任意の画像、または塗りつぶしのあるファイルをAdobe Photoshop CS3 Extendedで作成し、Model[in]新規を実行し、【図02】のように背景画像との位置関係でモデリングを行ったり、必要に応じて既に完成しているモデルデータを読み込んだりして画面に配置する。あとは【図03】のように完成した3Dオブジェクトを3DレイヤーとしてPhotoshop CS3 Extendedのプロジェクトに転送。ちなみに、画像の無い状態ではModel[in]を起動することができない。また、作成したモデルデータを3Dレイヤーにする場合は背景画像とは別の新規レイヤーに作成する。なお、STRATA DESIGN 3D[in]からPhotoshopにデータを転送する場合、【図04】のように転送するデータ内容を調整することができる。【図05】は転送直後のレイヤーの状態。STRATA DESIGN 3D[in]上で設定したテクスチャー名が読み取れる。
【図04】STRATA DESIGN 3D[in] からPhotoshopへモデリングデータを転送する場合に表示されるオプションメニュー |
【図05】モデリング結果をPhotoshopレイヤーに取り込んだ直後の状態 |
転送後の修正はModel[in] 編集を使用する。もちろんPhotoshopファイルを保存した後でも3Dレイヤーのままであれば、いつでもModel[in]編集にて修正・加工が行える。必要に応じてPhotoshopで処理したり、Model[in]編集でSTRATAに移動したりして処理を行うなど使い分けると良いだろう。ちなみに既にSTRATAを使ったことのある方なら違和感なく直ぐに使い始めることができる。
なお、STRATA CX 3Dと比べると、機能的には一部のモデリング処理やアニメーション機能が省かれているだけで、特殊処理を使用しなければ実質的に大きな違いはない。3DCGアーティストばかりでなく、グラフィックデザイナーの3Dグラフィックツールとして必要な機能は十分に搭載されている。これにより、Photoshop CS3 Extendedの3D処理機能が本格的に活用できるようになった意義は大きい。押し出しツール、旋回ツール、またはサブディビジョンサーフェイスモデリングなどを使って、新しい3Dモデルを作り出したり、Illustrator CS3のai形式ファイルから簡単な操作で三次元の形状を作り出したりすることもできる。また、obj形式(※1)やwri形式(※2)をサポートしているので、他の3Dソフトとの互換性も高い。
※1 Wavefront OBJファイル(*obj)3Dデータ形式。表面材質の区分やUVマップの情報を受け渡しすることができる。但し、UVマップを、サポートするため、面の表裏方向の情報に関する処理がソフトウェアによっては曖昧になるので注意が必要。なお、表面材質の色情報やテクスチャーマッピングの情報を渡す、マテリアルライブラリ(*.mtl)ファイルを一緒に生成するものもある。
※2 wriファイル(*wri)
wriとは、Webブラウザで表示される3次元グラフィックスのデータファイル。FOTO 3Dでのデフォルトの書き出しファイル形式。
STRATA CX 3Dと比較し、DESIGN 3D[in]で省かれている機能、ツール
モデリング機能 | スキン/メルド (メタサーフェイス)/ブーリアン/フィレット/シックネス /厚み/ミラー/ハルサーフェイス/デフォームラティス/スムースメッシュ/スナップ (ポイントスナップ)/リンクミラー |
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テクスチャー&エフェクト | ヘイズ (ボリュームエフェクト)/レンガ/タイル/UVバーナー/マップ合成/キャンディー/コンクリート/腐蝕/ディスプレイスメント/リップル/クラウド (ボリュームエフェクト)/地層/月面/板材/シャドウキャッチャー/シルク/スプライン反射/惑星/アニマル |
レンダリングの種類 | Live 3Dレンダリング |
アニメーション | スケルトンシステム/ジグル/姿勢制御/爆発/崩壊/モーションキャプチャ (FBX) |
特殊効果 | レンズフレア/オーラ/フォウンテンエフェクト(メタボールとシェイプに対応)/パーティクルの衝突検知/炎と煙/ヘアー/ホットスポット/ピクシーダスト |
環境 | スターフィールド背景 |
ファイル取り込み | DXFAmapi/MiniCADテキスト/IGES |
ファイル保存形式/書き出し形式 | DXFAmapi/XMM (Strata Live 3D ネイティブファイル形式) |
なお、逆にSTRATA CX 3DではできないがDESIGN 3D[in]で処理可能な機能としてCollada形式ファイルの取り扱いがある。
ところで、フル機能のSTRATA 3D CXとはファイル拡張子が異なり、STRATA 3D CXのデータ(.s3d)をSTRATA DESIGN 3Dinで読み込むことはできるが、その逆はできない点は注意が必要である。。
なお、作成したデータをPhotoshop CS3 Extendedに配置すれば、いつでもPhotoshop CS3 Extended側からSTRATA DESIGN 3D[in]を再起動して修正することができるので、作成したファイルを別途保存する必要はないが、保険と考えてファイルを保存をしておいたほうが良いだろう。STRATA 3D[in]でも保存してPhotoshopに戻ることがデフォルトとなっている。ただし、頻繁にSTRATA 3D[in]に移動して修正する場合だと、その都度処理中のファイルが開いた状態となってしまう。