東京の杉並アニメーションミュージアムにて11月27日より、「アニメーター・逢坂浩司展~追悼展示会~」が開催されている。開催期間は12月9日まで。開館時間は10時から18時(最終日は15時まで)、月曜休館。入場無料。

アニメーター・逢坂浩司が携わったタイトルから、多くのキャラクター設定や原画がならんだ

生前の逢坂氏。1998年には、アニメ制作会社・ボンズの設立にも携り、以降『鋼の錬金術師』などの作品を手掛けた

逢坂浩司氏は『カウボーイビバップ』『天空のエスカフローネ』などを代表的仕事に持つ名アニメーター。サンライズ作品に多く携わり、ガンダムシリーズでは『機動戦士Vガンダム』で人間味のあるキャラクターを、『機動武闘伝Gガンダム』では豪快なキャラクターを見事に描き出した。大きく世界観の違う2作品でキャラクターデザインを担当したことからも、逢坂氏のデザインの幅を知ることができる。しかし残念ながら、癌のため2007年9月24日に享年45(44歳)という若さで逝去。

ボンズ設立後の初作品となる、『機巧奇傳ヒヲウ戦記』の原画。逢坂氏はキャラクターデザインと総作画監督を務めた

逢坂氏が携わったガンダムシリーズも展示。『機動戦士Vガンダム』(右)と『機動武闘伝Gガンダム』(左)では、キャラクターデザインと作画監督を務めた

1985年より発売のOVA『ドリームハンター麗夢』シリーズでは、原画、作画監督を務めた。今回の展示物のなかでは、一番初期のタイトルとなっている

逢坂氏の描いたマンガ『ヒーリング・ラミネーター ジュン』。連載誌の休刊にともない、中断した状態となった作品

今回の展示会では、逢坂氏が手掛けた原画やキャラクターデザインなどを紹介。1980年代の作品から2000年代の作品まで、幅広く展示された。12月2日には逢坂氏と親交の深い、アニメ監督・沖浦啓之氏を招いてのトークショーを予定。定員に達したため観覧受付は終了しているが、当日の来場者は館内のテレビ中継で見ることができる予定。また展示会期間中は館内のアニメシアターにて、逢坂氏が参加した作品を上映。詳しい上映スケジュールについては、ミュージアムのWebサイトより確認してほしい。

遺作となった『天保異聞 妖奇士』(2006年放送)の作画修正。本作では作画監督、キャラクター監修を務めた

これまで逢坂氏が関わってきたタイトルを年表で紹介。会場ではそれぞれの作品について語り合う来場者の姿も

一緒に仕事をしてきた人から追悼文。逢坂氏が師事したアニメーターの谷口守泰氏や、『機巧奇傳ヒヲウ戦記』でヒヲウを演じた声優の桑島法子さんからなど様々

追悼展ではガンダムシリーズをはじめ、『機巧奇傳ヒヲウ戦記』など様々な作品から逢坂氏の名アニメーターぶりを見て取ることができる。古参のガンダムファンから近年の『鋼の錬金術師』ファンまで、逢坂氏の残してくれたものを再確認するため、この機会に一度足を運んではいかがだろうか。

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