ティアックは、beyerdynamic(ベイヤーダイナミック)社のサラウンドヘッドフォンシステム「HEADZONE PRO」を発表した。発売は12月10日を予定しており、価格は39万9,000円。
一般的なサラウンドヘッドフォンでは、頭が動くと、同時にその音像も移動する。スピーカーのサラウンドシステムで例えると、自分の頭の動きにあわせて5.1chの6本のスピーカーがぐるりと移動するようなもので、どうしても音像が不自然になる。同製品はそれを解決したシステムだで、コントロールユニット「HEADZONE BASE」とヘッドフォン「DT880PRO HT」とを組み合わせたシステム。
DT880PRO HTのヘッドバンド上部には超音波発振機が取り付けられており、これとモニター上などに設置した受信機と組み合わせることで、ヘッドフォンがどの位置にあるか、どの方向を向いているのかを検出。HEADZONE BASEに内蔵されたDSPにより、音の方向、左右の耳での聴覚上の時間差などをシミュレーション。常にモニター側から音が発生しているように聞こえるようにするシステムだ。これにより、スピーカーの場合と同様の自然なサラウンドが実現される。
同製品は、ホームユース向けのモデルではなく、スタジオなどで使用するプロ向けの機器だが、同社によると、最近ではプロ向けの機器と一般向け機器とはかなりクロスオーバーしてきており、同社の業務用向けブランドであるTASCAMの製品などは、かなり一般に浸透してきているとのことだ。
入出力は、アナログ5.1ch入力端子と、FireWire端子を搭載しており、AVアンプや、PCなどと接続することが可能だ。ただし、デジタル入力(S/PDIF)は装備されていないので、テレビなどと直接接続することはできない。