大和撫子な山口智子(左)とハリウッドビューティーの代表格ともいえるニコール・キッドマン

27日(現地時間)、映画『ライラの冒険 黄金の羅針盤』のワールドプレミアとパーティが英国・ロンドンで行われた。出演のニコール・キッドマン、ダニエル・クレイグのほか、日本語吹き替え版で声の出演をする、山口智子、成海璃子らも出席した。

"世界で最もおもしろいファンタジー小説"との呼び声高い原作を、『ロード・オブ・ザ・リング』のスタッフが再集結し、完全映画化。加えて、総制作費250億円と聞けば、そのスケールの大きさに自然と期待が高まる。

プレミア上映の会場となったロンドンのオデオン・シネマには、1,000人以上のファンと世界70カ国以上からやってきた報道陣がつめかけた。映画同様の規模の大きさに、開始前から集まった人たちは興奮気味。いざ、アスリエル卿役のダニエル・クレイグ、ライラの精霊として声の出演をする名子役のフレディ・ハイモア、原作のファンだというヒュー・グラントが現れると、大歓声が起きた。

続いて、主演の少女ライラを演じた、ダコタ・ブルー・リチャーズが登場。今回15,000人のオーディションから選ばれたラッキー・ガールは、この晴れの舞台で、「今日は最高の気分です。ドキドキしています。12月には日本に行きます」と話した。多くのファンにサインや握手を求められ、丁寧にそれに応えていたのが印象的だった。

レッド・カーペットで圧倒的な美しさを見せたのは、やはり、ニコール・キッドマン。夫のキース・アーバンとともに登場すると、周囲からため息がもれた。輝く金髪、抜けるような白い肌……、バレンシアガのオフホワイトのドレスをまとった姿は、さすがハリウッド女優といった貫禄だった。劇中では、コールター夫人を演じる。

夫キース・アーバンとのツーショット

この日は、日本からも女優たちが参加した。日本語吹き替え版でコールター夫人の声を担当する山口智子は、声優としては14年ぶりの映画出演。黒髪のボブに、金色の着物と緑の帯で"和"を演出していた。日本では公の場に姿を見せなくなって久しいが、以前と変わらぬ明るい笑顔はファンにとって嬉しいものだったのでは。"旦那さんから励ましはありましたか"との問いに、「とくに励ましはなかったのですが、ロンドンは寒いからということで、耳あてを買ってくれました」と答えた。

ちょっとしたオノロケも披露?

また、オーディションでライラの吹き替え役に選ばれた13歳の西内まりや、ライラの精霊役の成海璃子もワールドプレミアに華を添えた。西内は「迫力がありそうな映画なので楽しみです。世界の舞台に自分が立つなんて信じられません」と13歳の新人らしく初々しいコメント。成海は「吹き替えをすることを意気込みに感じています。(ライラの精霊・バンタライモンは)男の子の声なのでちょっと緊張します」と来年1月のアフレコへ向けて、今の気持ちを語った。

成海璃子

西内まりや

原作は、フィリップ・プルマンの『黄金の羅針盤』。1936年に創設された名誉ある児童文学賞、英国・カーネギー賞を1995年に受賞した。そして昨年、全受賞作品からベスト1に選ばれ、"いま最も世界で最もおもしろい"ファンタジー小説といわれている。

『ライラの冒険 黄金の羅針盤』ストーリー

主人公・ライラはパラレル・ワールドに住む、12歳の少女。すべての人間が動物の守護精霊「ダイモン」をもつ世界で、少女は真実だけを告げるという、"黄金の羅針盤"を手にする。運命に導かれた彼女は、かつてない戦いが起ころうとしている北の地へ。そこには、理由もなく姿を消す子供たちと、敵か味方かわからない大人たち。また、彼女を助ける勇敢な"鎧熊族"や孤独な気球乗りに、美しい魔女たちも少女を取り囲む。羅針盤の針が示す先に、はかりしれない謎と恐怖があることを彼女は感じ、自分が世界の結末を決める定めにあることを知る……。

2008年3月1日より丸の内ピカデリー1他全国松竹・東急系にて公開。

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