一方、"媒体力"という観点から見た場合、ブログはトラックバックという他にはない特性を持つ。国内ではトラックバックをオープンにする傾向があり、これにより双方向性が強化される。また、ブログは"発言/書き込み"が活発なメディアとしても注目され、インプレスR&D発行の「インターネット白書2007」によると、ブログにおける"発言/書き込み"の割合は24.40%で、2位のSNS(17.30%)以下を大きく引き離している。つまり、情報の流れが一方向で、逆方向からのアプローチは難しい新聞やテレビ、ラジオ、一般のWebサイトに対して、ブログはリンクやコメント、トラックバックにより、読み手が書き手にもなるという、特筆すべき性質を持つ双方向性メディアだ。こうした双方向性により類似した情報をさらに生み出すことができる。また、影響力のあるブログの存在により、情報が緩やかに偏在しており、企業はブロガーとの協調を新しいメディア戦略と捉えるようになってきた。

メディアとしてのブログの位置づけ

関氏によると、ブログは書き手としての効率化だけでなく、こうした読み手を書き手として巻き込むことによるCGM効果や、音声や動画など他メディアとの連携、検索エンジンとの親和性などにより、昨今企業の間で導入が進んでいるのが"ビジネスブログ"だという。関氏によると、最近のブログシステムはページやファイル管理などのCMS機能が強化され、Webサイト全体を効率的に管理できるツールとして企業の間に浸透し、シックス・アパートの「MOVABLE TYPE」は、トヨタ自動車や日本マクドナルドをはじめとする、幅広い業種・業界への導入実績を持っている。インターネット白書の調査では、企業が導入しているCMSのランキングで2006年、2007年の2年連続でトップに立っているのが「MOVABLE TYPE」だ。

同製品は、2007年7月に最新版の「MOVABLE TYPE 4」がリリース。関氏によると、近々新たに"コミュニティソリューション"の提供が予定されている。このサービスは、「MOVABLE TYPE」でプロフィールページやグループブロギングを容易にする機能を拡張し、コミュニティー構築ツールを提供する。関氏は企業のWebサイトのアクセス向上のための次なる戦略として、

  1. 誰もが更新できる仕組みで、更新頻度を上げる
  2. 検索エンジンに適したサイト構造と更新通知
  3. 「現場の人」による、タイムリーな情報更新
  4. Webサイト全体を効率的に管理する仕組み
  5. コミュニティの力をコンテンツの充実に
  6. 多数のブログをまとめてポータルでわかりやすく

の6点を挙げ、ブログの枠を超えたトータルソリューションとして「MOVABLE TYPE」を今後展開していく意向を明らかにした。