三菱自動車と、同社の米国製造・販売会社である北米三菱自動車(MMNA:MITSUBISHI MOTORS NORTH AMERICA, Inc.)は、2008年1月13日から開催されるデトロイトモーターショー(North American International Auto Show)に、コンセプトカー「MITSUBISHI Concept-RA」を世界で初めて公開すると発表した。

MITSUBISHI Concept-RA※イメージスケッチ

「MITSUBISHI Concept-RA」は、"走る歓び"と"環境への貢献"を具現化するコンセプトカーとして、同社の市販モデル「ランサーエボリューションX」にも搭載している車両運動統合制御システム「S-AWC(Super All Wheel Control)」や、高効率トランスミッション「Twin Clutch SST(Sport Shift Transmission)」に加え、高出力、高効率の新開発クリーンディーゼルエンジンを採用したモデル。

このS-AWCは、ランサーエボリューションXの機能に加えて「アクティブステアリング」「アクティブダンパー」を追加。これらを統合制御することで4輪の駆動力、制動力を高度にコントロールし、通常走行から緊急回避時まで様々な走行状況で駆動性能、旋回性、安定性を向上させたとしている。

また、同社の可変バルブタイミング技術や、コモンレールとピエゾ式インジェクターによる燃料噴射などにより低圧縮比が可能となり、さらにタービン流量やコンプレッサー流量を可変とするVD(Variable Diffuser)/VG(Variable Geometry)ターボを搭載することで、高出力と高効率、低排出ガス特性を両立させた。2.2L(リッター)直列4気筒のディーゼルエンジンより、最高出力150kW(204ps、最大トルク420Nm(42.8kgm)を得る。

米国の排出ガス規制「Tier2 Bin5」への対応を視野におき、ディーゼル酸化触媒(DOC:Diesel Oxidation Catalyst)、NOXトラップ触媒(NTC:NOx Trap Catalyst)、ディーゼル微粒子除去装置(DPF:Diesel Particulate Filter)を組み合わせた新たな触媒システムを採用する。

ボディ構造は、軽量化と衝突安全性能向上を狙いとしたアルミ押し出し材とアルミダイキャスト材を組み合わせたアルミスペースフレーム構造とし、フード、フェンダーなど外板部分には、耐衝撃性やリサイクル性に優れた樹脂外板を組み合わせて採用している。