1年後、構築型アプリケーションはFusion Applicationsへ
Michael Dell氏やJonathan Schwartz氏など大物ゲストも毎日入れ替わりでキーノート登場した。写真はHewlett-Packard CEOのMark Hurd氏 |
Apps UnlimitedとAIAは、いわばすでにあるアプリケーションを組み合わせてシステムやソリューションを構築することに主眼をおいたものだ。これまで同社が提案してきたソリューションは基本的にすでにあるミドルウェアやアプリケーションを組み合わせるもので、一からすべてを構築するタイプではなかった。
これに対する同社の答えが「Fusion Applications」だ。Fusion ApplicationsはOFMで動作するサービスセットのようなもので、提供されるサービスを組み合わせて新しいアプリケーションを構築することを目指している。プロダクトはまだ一般公開されておらず、2008年末までにリリースされる予定だ。Fusion ApplicationsがリリースされるとOracleはアプリケーションを組み合わせたソリューションから、カスタマ向けにシステムを一から構築するタイプのソリューションまで対応することになる。
さらなる方向性は全ポートフォリオのSaaS対応か
OOW 2007で具体的な発表は見られなかったが、同社のこれまでの発表や各種情報を検討すると、最終的にはすべてのポートフォリオをSaaSとして提供する道を模索しているようだ。まだ発表がないところをみると、どういった形でSaaSを提供すればいいか、そもそもSaaSでサービスを提供すべきかどうかを依然として検討している段階にあるように思える。
Web 2.0の潮流が現れてからWebに関係したサービスやアプリケーションの成長は早く、企業内で提供されているアプリケーションと比較してWebアプリケーションとして提供されているサービスの方が優れているという逆転減少がちらほら現れている。しかもこの流れはしばらく止まりそうもない。
Google Appsの例にもあるように、エンタープライズ向けのサービスもオンラインで提供するというのはもはや避けて通れないところまできているように思える。OracleがSaaSに対してどのようなアプローチを取ってくるか、今後の動向に注目しておきたい。
会場に設置されていたOracleの30年の歩みを記したパネル。いちDBベンダから総合企業アプリケーションベンダへと変遷していく足取りが興味深い。上下に書かれた「You can't be FIRST if you're not willing to be different... and being different requires INNOVATION.(他と違うことを望まないのであればFIRSTにはなれない。そして他と違っているためにはINNOVATIONが必要だ)」というEllison氏の言葉が同社のストラテジを如実に表している |