総務省は、2.5GHz帯の電波を用いた広帯域無線アクセスシステム(BWA)に関して、事業化を目指して免許申請中の4社が申請内容の発表と意見のやりとりを行う、公開カンファレンスを開催した。ウィルコム、ソフトバンクとイー・アクセスが中心となるオープンワイヤレスネットワーク、KDDIを中心に京セラやインテルなどによるワイヤレスブロードバンド企画、アッカ・ネットワークスとNTTドコモなどが核となっているアッカ・ワイヤレス(以上申請順)が参加した。
左からアッカ・ワイヤレスの木村正治社長、ワイヤレスブロードバンド企画の田中孝司社長、ソフトバンクの孫正義社長、ウィルコムの喜久川政樹社長 |
今回の免許は4社のうち2社に与えられるが、一部報道では、すでに2社への免許交付が決定的ないし有力などとされた。カンファレンスは、申請内容を公表し、公開での討論の場を提供することで、審査の公平を期するのがねらい。オープンワイヤレスネットワークを代表して登壇したソフトバンクの孫正義社長は「MVNO中心の立場とパソコンのブロードバンド化での実績」を強調、「各社の申請内容をみたうえで、特に我々より優位にある点は見つからなかった」と指摘するとともに「(ヒアリングが)始まっていないのに、勝敗が決まったかのようなことをいわれるのはありえない。総務省にも確認した」と語り、2社が「当選確実」というような流れとならないよう強く牽制した。
ウィルコムの喜久川政樹社長は、他の事業者が撤退するなか、PHS興隆に尽くしてきた実績と、日本発のPHS技術をさらに発展させたいとの希望を訴え、さらなる高速化、高度化のためには現行の帯域だけでは限界があり、PHSをいっそう進化させるのには2.5GHz帯が必要と主張した。
ワイヤレスブロードバンド企画の田中孝司社長(KDDI取締役執行役員常務)は、インテルと共同で、まずデータ通信カードの用意やWiMAXチップのノートPCへの内蔵などを進め、さらにMVNOなどによる市場の活性化を図った上で、非PCの情報家電などを軸とした新しい市場を開拓する、と方途を明らかにした。
アッカ・ワイヤレスの木村正治社長(アッカ・ネットワークス社長)は、NTTドコモの支援を受けるものの、アッカ・ネットワークスが中心で運営していくことを明言した。4社のうち、無線通信に新規参入するのは同社だけであることを強調、免許方針は新規参入者を重視したものと指摘した。
(詳報は追って別の記事として掲載いたします)