Mozilla Foundationは19日(米国時間)、WebブラウザFirefox次期バージョンの最新β版「Firefox 3.0 Beta 1」を公開した。対応プラットフォームはWindowsとMac OS X、Linuxの3種、日本語を含む20種の言語に対応している。

今回のリリースは、開発コード名「Gran Paradiso」として開発が続けられてきた、Firefox次期バージョン(3.0)のβ第1版。HTMLレンダリングエンジン「Gecko」のバージョン1.9系列の開発がスタートしてから28ヶ月目、2百万近いコードの書き換えと11,000を超す修正のほか、7回にわたるα版テストを経ての公開となる。

Firefox 2.0/Gecko 1.8系と比較した新機能としては、グラフィックス/テキスト描画用ライブラリ「Cairo」の採用によるSVGのサポートや、カラーマネジメント機能の追加など、描画機能の改良が挙げられる。Cairoの採用を含めたアーキテクチャの大幅な変更により、レンダリング速度も向上している。

ユーザインターフェイスも大幅に強化。画面を任意の倍率に拡大/縮小するフルズーム機能や、ダウンロードのリジューム機能、エンジンにSQLiteを使用した新しいブックマーク/履歴管理システム「Places」などの新機能が追加された。

プラットフォーム別では、ユーザインターフェイスの外観を決定するウイジェットがOSネイティブの「Cocoa Widgets」に変更されたほか、スペルチェック機能や「Growl」のサポートなど、Mac OS X用機能の強化が図られている。Linux向けにも、デスクトップ環境Gnomeとのフォームデザインの統一が行われている。セキュリティ面では、スパイウェアやトロイの木馬などのマルウェア対策機能、実行ファイルをダウンロードしたときのアンチウイルスソフトへの通知機能が追加されている。

新タイプのブックマーク「Places」やSVGのサポートが行われた「Firefox 3.0」のβ版が公開(画像はMac版)