米Amazon.comは11月19日 (現地時間)、電子ブックリーダー「Kindle」の発売を開始した。データ配信方式として、携帯電話で使われている高速データ通信のEV-DOを採用しており、ユーザーはパソコンを介さずにKindleから直接オンラインストアにアクセスして、書籍や雑誌、新聞などを購入できる。価格は399ドル。
Kindle向け無線データ配信システムを同社は「Amazon Whispernet」と呼んでいる。EV-DO採用により、Kindleユーザーは米国の主要都市のどこからでもAmazon.comが提供するKindle用オンラインストア「Kindle Store」にアクセスできる。同ネットワークの利用は無料。同社によると、書籍や雑誌のダウンロードは1分以内で完了するそうだ。
Kindle Storeではすでに、11月19日時点のNew York Times Best Sellers 112冊のうち100冊を含む88,000冊以上が購入可能になっている。New York Times Best Sellers や新作は、ほとんどが9.99ドルで販売されており、Kendleユーザーは第1章を無料で試読した上で購入を決められる。新聞は、The New York Times、Wall Street Journal、Washington Postなどのほか、フランスのLe Monde、ドイツのFrankfurter Allgemeine、アイルランドのThe Irish Timesなどもリストされている。またKindleを使って、BoingBoing、Slashdot、TechCrunch、The Onion、The Huffington Postなど、250以上の人気ブログを購読できる。辞書機能としてThe New Oxford American Dictionaryを内蔵、Wikipediaを使った検索も行える。
Kindle本体のサイズは7.5" x 5.3" x 0.7"(19.1×13.5×1.8センチ)で、重量は10.3オンス(約292グラム)。ディスプレイに電子ペーパー技術「E-Ink」を採用しており、600×800ピクセル(167ppi)の解像度でモノクロ4階調の表示が可能。本体に256MB (コンテンツ用領域は185MB)のストレージを内蔵するほか、SDカード用スロットを備える。USB 2.0を通じてWindows PCまたはMacとの接続が可能。QWERTYキーボードと3.5ミリのオーディオジャックを装備する。
対応フォーマットはKindle (AZW)、TXT、Audible、MP3など。変換によってHTML、DOC、JPEG、GIF、PNG、BMP、MOBI、PRCなどをサポートする。電子メールを使ってWordドキュメントや画像をKindleに送信するサービスが用意されている。