不沈戦艦を目指し、目標は売上げ600億ドル&利益率50%!!
ここ5年間、同社の業績は驚くべき進展をみせている。Oracleは同分野の企業としては2ケタ成長を堅持している数少ない企業のひとつだが、掲げた目標とその進捗ぶりは驚愕に値するものだ。
Oracleは2005年、EPSの20%成長を5年間続けると公言。最終的に売上げを200億ドルまで引き上げるとした。2007年現在ですでに180億ドルに達しており、公言通りに実現しそうな勢いだ。さらに2007年第1四半期には、不沈のソフトウェア企業に成長させるとして売上げ600億ドル、利益目標50%という目標を掲げた。「600億ドルの売上げと50%の利益率」というのはかなりの数字だ。必要経費の削減も大幅に推し進めなければならない。
同目標は、Oracleがソフトウェア企業として到達できる限界はどこにあるのかを示した挑戦ともとれる。
30年前はOracleもベンチャー企業だった - ピザ配達員をCFOに!?
ここでOracle OpenWorldに戻る。登壇したラリー・エリソン氏は30年前、設立当時、まだベンチャー企業だったころの話をはじめた。"Oracle"という社名はもともと別の企業でCIA関連のプロジェクトに従事していたときのプロジェクト名だったこと、プロジェクトが失敗したのでその名前を企業名にも使えたこと、政府機関は支払いが遅くて仕事をしてるのに金欠に苦しんだことなどを楽しそうに語った。
金もない、バランスシートも何もないと設立当初のやんちゃっぷりをアピール。プログラマ必須アイテムのピザを注文してるうちに、宅配のにーちゃんが会計を学んでいることを知ってCFOに抜擢したことや、自筆のビジネスレターの評判がよくないので秘書を雇ったことなど、さまざまなエピソードが紹介された。今や世界企業に成長した同社だが、30年前はベンチャー企業だったわけだ。
Oracleはイノベーションを止めない - 常に走り続けるカンパニーへ
Oracleが対象としているエンタープライズ向けソリューションを提供しているグローバル企業は、最終的にビッグ4(IBM、Microsoft、Oracle、SAP)が生き残っていくのではないかといわれる。Oracleは今後もイノベーションをあきらめない。コモディティ化せずにイノベーションを提供しつづけ、企業が求めるナレッジを「必要なときに必要なだけ結びつけていく」という。
600億ドルの売上げと利益率50%の実現はきわめて困難なように思える。しかしベンチャー企業だった30年前から現在まで走り続けてきたように、これからも走り続けるつもりのようだ。同社は目標達成をむけて今後も大胆な戦略を進めていくだろう。これからも同社の取り組みに注目していきたい。