ウィルコムは13日、中国の通信事業者・中国網通との間でPHS事業推進に関する包括的な提携を結んだと発表した。中国におけるPHSサービスの高度化をウィルコムが支援するほか、将来的なPHSの発展に向けて両社が相互に協力する。
中国網通は、国営の通信事業者だった(旧)中国電信が分割されて2002年に生まれた事業者で、主に中国北部で固定通信事業を展開している。中国でのPHSサービスは固定電話の拡張として始まった経緯から、固定事業者の同社および現在の中国電信が提供している。ウィルコムの発表資料によれば、中国のPHS利用者は約9,330万人で、そのうち中国網通の加入者は10月末現在で約3,000万人。
現在は音声通話とショートメッセージサービスが提供されているが、データ通信サービスは未導入。今回の提携を元に、パケット通信実現のための技術協力をウィルコムが行う。また、将来の次世代PHS導入の可能性についても両社で検討を行う予定。
ウィルコムは中国との国際ローミング実現に向けても取り組みを進めており、10月にはスポーツ競技会「2007年スペシャルオリンピックス夏季世界大会・上海」の日本関係者に、中国電信のPHS網を利用した国際ローミングサービスを期間限定で提供した。ウィルコムでは、国際ローミングについては中国網通、中国電信の両社と話し合いを行っているとしている。