エースコックは8日、ソーシャルネットワークサービス(SNS)「mixi」公認コミュニティ内で募ったアイデアをもとに商品化した「mixi公認コミュニティで生まれたつゆ焼そば」と「mixi公認コミュニティで生まれたカレーラクサ春雨」に関する発表会を開催した。今回発表になった商品2品は、同社の社員がコミュニティ管理人となり、コミュニティ参加者である消費者と意見交換を行いながら開発したとのことだ。
コミュニティ内では、カップ麺部門とカップ春雨部門に分けてアイデアを募集。カップ麺部門で商品化されたmixi公認コミュニティで生まれたつゆ焼そば(230円・税抜)は、ソース焼そばにラーメンのつゆを注いだメニューで、つゆ焼そばは青森県黒石市のご当地メニューといわれている。キャベツや豚肉、玉ネギといった通常焼そばに使用する具材を用い、さらに揚げ玉やネギも加えている。スープは鶏がらと豚ガラベース。
春雨部門で選ばれたmixi公認コミュニティで生まれたカレーラクサ春雨(150円・税抜)は、マレーシアの麺料理"ラクサ"を再現した商品。エビとココナッツの風味をきかせたスープが特徴とのことで、辛味調味料であるサンバルソースも加えてアジアンテイストを出しているという。麺はツルリとした春雨を使用。
今回の商品開発に際し、まずは2007年6月にmixi内でコミュニティを開設。コミュニティ参加者は2,500人以上となり、書き込み数も非常く、管理人と参加者の間で活発なやり取りが行われたという。最終的にはカップ麺部門で526案、カップ春雨部門で209案集まり、そこから新規性や開発可能性の高さを基準に絞り込んでいき、今回発表の2品に決定したとのことだ。
発表会には、同社常務取締役・梶原潤一氏や開発担当者らが参加し、商品コンセプトや開発経緯についての解説がなされた。「Web2.0によって消費者がブログやSNSを利用し、商品の評価などの情報を簡単に世界へ発信できるようになってきています。今回は、企業自らがSNS内に飛び込み、消費者と共に商品をつくりあげた企画で、まさにWeb2.0型プロジェクトといえるのではないでしょうか」と梶原氏。さらに、「コミュニティ参加者には開発プロセスを可能な限り公開し、また参加者の意見を積極的に反映させてきました。台本のない開発でしたね」とコメントした。
多数集まったアイデアから2品に絞り込んだ理由については、「つゆ焼そばもラクサも、まだそれほど認知されていない料理。だからこそ、お客様に紹介していきたいという気持ちがあった」とのことだ。販売目標は半年間で各100万食、合計3億円としている。