ミュージカル『テニスの王子様』The Progressive Match 比嘉 feat. 立海 の製作発表が7日、都内で行われ、主要キャスト26人が顔を揃えた。主人公・越前リョーマの所属する青春学園中等部(通称:青学)のメンバーは約1年半のサイクルでキャストが総入れ替えとなる。今回は4代目メンバーのお披露目の場ともなり、数多くの報道陣が詰め掛けた。
「週刊少年ジャンプ」(集英社)に1999年より連載され、現在までにコミックスの累計売り上げ4,000万部以上という人気作『テニスの王子様』。2次元の"マンガ"を3次元の"ミュージカル"に……この一見無謀とも思える試みは2003年、東京芸術劇場から始まった。
マーベラスエンターテイメント 片岡義朗氏 |
「7,000人キャパで始めたんですが、最初は満員にすることができなかったんです」と当時を振り返るのは、『ミュージカル テニスの王子様』(通称:テニミュ)の産みの親とも言えるマーベラスエンターテイメントのプロデューサー、片岡義朗氏。その後、本公演11タイトル、年に一度のコンサート「Dream Live」を4回行い、今となってはチケットは発売後即ソールドアウト、観客動員数は延べ35万人を突破する勢いだ。
11月2日創刊の「ジャンプSQ」の編集長も兼任する茨木政彦氏 |
続いて週刊少年ジャンプ編集長・茨木政彦氏が登壇。立ち見が出るほど溢れかえった会場を見回して「すごいですね、まさかこんなことになるとは……もっといいヅラつけてくればよかった(笑)」と開口一番笑いを誘った。「クールな主人公がイカツイ敵を打ち破る、っていう路線を目指していましたが、誰がこれをミュージカルにしようと考えますかね。最近はジャンプの読者にも女性が増えてきていて、この傾向は『テニス~』から始まったんじゃないかと」と現代のマンガ事情を分析。新しいメンバーについては「若いっすね! いい男揃ってますよー。僕もあと30歳若ければ、手塚とは言いませんが乾あたりでなんとか……(笑)」。
「成長を見てほしい」と力説する松田誠氏 |
テニミュでは光と音による表現で、テニスの激しいラリーを臨場感たっぷりに再現しているが、企画段階では別の方法が考えられていたとか。「実はボールを付けた棒をプレイヤーの間を行ったり来たりさせる"ドリフ方式"にしようかって話も出てたんですけど」と笑うのはもう一人のプロデューサー・松田誠氏。テニミュの概要の説明を行い、最後に「ぶっちゃけ、歌が上手いとか、ダンスがすごいとかいう子たちじゃないんです。この後、出てきてパフォーマンスしますが、皆さん『え、大丈夫?』って思うかもしれません。でも、ヤツらは成長するんです! 12月の公演を見たら、同じ子たちだとは思えないほどの大成長を遂げる予定となっておりますので(笑)、どうか温かい目で見守ってください」と熱く語った。
そして26人のキャストが本番と同じ衣装を着て登場。歌とダンスを披露した。
まだあまり稽古を積んでいない、ということだったがメンバーはみな息が合い、何よりとても楽しそうに歌う様子が印象的だった。終了後はトークと質疑応答へ。
主人公・越前リョーマ役の阪本奨悟(14)は「ずっとジャンプを読んでいたので、選んでもらって嬉しいです。あと僕、阪本っていうんで、リョーマをやることになったって言ったら『じゃあ"阪本リョーマ"になるね』って言われました」と照れながらも一生懸命にコメント。青学の部長・手塚国光に扮する渡辺大輔(25)も「歴代の方たちが築き上げてきたものを壊さず、部長として、また渡辺大輔として引っ張っていけたらと思っています。言い方は悪いですが、みんな死ぬ気で、這いつくばってでも、って気持ちで(稽古を)頑張っているので期待していてください」とリーダーらしい挨拶で場を引き締めた。
「不思議なユニフォームなんですよねー。ちょっと後ろ向いてください」と回れ右させられる木手永四郎役・Luke.C(21)。比嘉中のコワモテのみなさんも凝視 |
前作では負傷したという設定でストレッチャーで運ばれてしまった立海中・幸村精市役の八神蓮(21) |
青学メンバーの中で1人、先代から引き続き海堂薫役(平田雄一郎とダブルキャスト)で出演する柳下大(19)は「僕が(3代目に)入ったとき、先輩たちからいろいろ教えてもらったので、同じように伝えていけたらと思います。いちばん伝えたいことですか? やっぱり他の現場にはない空気ですね。キャスト同士の仲の良さとか」と語った。
青学メンバー。カッコ内は役名。上段左より小笠原大晃(河村隆)、豊田裕也(大石秀一郎)、渡辺大輔、古川雄大(不二周助)、高橋優太(乾貞治) |
争奪戦になること必至のチケットは11月11日発売。公演スケジュールはこちらを参照。