社団法人日展が主催する第39回日展が、東京都港区六本木にある国立新美術館にて開催されている。日展の前身である文部省美術展覧会まで遡ると、2007年は開催100回目の節目。2006年まで会場だった東京都美術館から国立新美術館に会場を移動させ、作品の見やすさなどに配慮した展示構成となっている。開催期間は12月9日まで。

社団法人日展が主催する第39回日展

同展は1907年、美術審査委員会官制が制定されたことに基づき、文部省第1回美術展覧会(文展)が開かれたことに端を発する。当時は第1部(日本画)、第2部(西洋画)、第3部(彫刻)の3部制で、第12回(1918年)まで続いた。その後、時代の流れに伴い「帝国美術院展覧会」「文部省美術展覧会」「戦時特別美術展覧会」などと名称を変更。1946年には、第1部(日本画)/第2部(西洋画)/第3部(彫塑)/第4部(美術工芸)の4部制とし、第1回日本美術展覧会が開催。1948年には書道(第5科)を加えた5科制とした。なお、1946年の日展は文部省の主催であったが、1958年に社団法人日展が創立し、同法人の主催で第1回日本美術展覧会が開かれている。

今回開かれる「第39回日展」は社団法人として再出発して通算50回目、さらに1907年の第1回文展まで遡れば、通算100回目の記念すべき展覧会だ。また、今まで会場だった東京都美術館から国立新美術館へ移転後、初の開催となる。今回は応募総数14,678点から2,377点(うち、348点が新入選数)が入選。審査について日展では「今回も若い人達の出品が増えましたが、正直、内容は今ひとつでありました。ですが、全員意欲満々ですので将来を愉しみにしております」としている。

日本画では、作品を縦に2枚並べて展示するなどの方法を変更し、1枚ずつ展示したことでより見やすさに配慮されている

会場構成は1階が日本画と洋画の一部、2階が洋画の一部と工芸美術/彫刻、3階が書。日展の担当者は「2006年までの展示数、会場面積ともにほとんど変わりはありません。ただ、従来と大きく変わったのは日本画の展示方法。作品を縦に2枚並べて展示するなどの方法を変更し、1枚ずつ展示したことでより見やすさに配慮しました」という。

日本画・文部科学大臣賞の長谷部日出男作「母子」

観覧時間は10時~18時(入場は17時30分まで)。入場料は一般1,200円、高校・大学生700円、中学生以下は無料。また、時間限定入場券「トワイライト・チケット」は一般300円、高校・大学生200円。なお、トワイライト・チケットの入場時間は16時30分から18時(入場は17時30分まで)で、当日券のみの販売となっている。

写真上は洋画・文部科学大臣賞の三沢忠作「浅間山」、写真右は工芸美術・内閣総理大臣賞の三浦景生作「和根洋菜頌」