日本テレビとNECは2日、テレビやインターネットなどの複数のメディアで展開する視聴者参加型ドラマ『オキナワ 男 逃げた』を放送すると発表。同日、日本テレビで行われた記者会見には、ドラマの企画・総合演出を担当する"T部長"こと土屋敏男氏、主演のりょう、監修の小山薫堂氏らが出席した。

写真左より、総合演出補の村瀬健氏、土屋敏男氏、りょう、小山薫堂氏、脚本の武田樹里氏

同作はブログを中心にストーリーが展開。33歳の独身OL・美羽(りょう)が、彼氏の実(中村竜)が突然沖縄に行ってしまったことをきかっけに「オキナワ 男 逃げた」というタイトルのブログ(11月2日開設)を始め、遠距離恋愛への悩みなどを綴る。そこに投稿されたコメントや視聴者の体験談をもとに脚本を作っていく。主人公・美羽の心境が、視聴者の意見によって変化していくという、今までにない視聴者参加型の企画となっている。ブログでストーリーが進行した後、12月5日には地上波の番組『デジタルの根性』(水曜 25:29~)で、これまでの内容とその後の展開を描いたドラマを放送し、12月19日に同じく『デジタルの根性』で、結末を描くドラマを放送する。

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企画を担当した土屋氏は『電波少年』シリーズ(1992年~2003年)や、『ウッチャンナンチャンのウリナリ!!』(1996~2002年)などのヒット番組を手がけ、現在は第2日本テレビ事業本部でエグゼクティブディレクターとして、第2日本テレビの運営やインターネット番組の制作を手がけている。同作については「ブログのコメントを見ながら気持ちが揺れる主人公を描きます」と、"アポなし"手法を得意とした土屋氏が、筋書きのないマルチエンディングを迎える新しい形のコンテンツ展開を目指す。主演のりょうは「土屋さんが手がける。それだけで演じたいと思いました。ただ、ストーリーの展開はまったく決まっていない状況なので、今日土屋さんとお会いした時は頭の中で"ダースベイダーのテーマ"が流れました(笑)。今はアイマスクとヘッドホンを付けられている心境です(笑)」と語る。

「私も彼氏に逃げられた経験があります(笑)」と自らのエピソードも披露したりょう

「心動かされる、皆さんのコメントによって美羽が決断します」と土屋氏

「テレビの企画として、本気でネットを使ったコンテンツを展開するのは初の試みでしょう」とブログ中心の企画展開を発案したという小山氏

今回の企画は日本テレビとNECの共同企画。第2日本テレビのプラットフォームサービスを提供していたNECが、ドラマの映像配信基盤を担当する。また、11月下旬に発売予定のワンセグ携帯電話「N905i」」、「N905iμ」のプロモーションに、同ドラマのクロスメディア展開を活用。携帯電話で楽しめるコンテンツをPRし、クチコミによってユーザーの関心が高まることを狙っているという。ドラマ連動型インフォーマーシャルサイトも近日にオープンの予定だ。