――今後の計画について教えてください。

Forsyth氏:10月16日、Symbian OSを強化する新たなアーキテクチャとして、「ScreenPlay」と「FreeWay」の2つを発表しました。ユーザーは携帯電話に対し、デスクトップPCレベルのグラフィックエクスペリエンス、インターネットエクスペリエンスを期待しています。この2つの技術は、コンピュータと携帯電話の融合(コンバージェンス)に対応するSymbianの新技術です。

ScreenPlayは、新しいグラフィック技術で、ハードウェアアクセラレーションなしに、また電源消費量を犠牲にすることなくグラフィックエクスペリエンスを強化するものです。

新たなグラフィックアーキテクチャ「ScreenPlay」のデモのようす

FreeWayは、携帯電話でインターネットサービスを利用する時代に向けた新技術です。3G/HSPA、Wi-Fi/WiMAX、Bluetoothなど、さまざまな無線技術があります。FreeWayの1つ目の特徴は、ネットワークが変わってもアプリケーションに影響を与えないようにする「Bearer Mobility」です。これは単なるハンドオーバーではありません。企業電子メールなど、ある種のネットワークでしか利用できないものもあります。それから、場合によっては安いネットワークを利用し、またある場合によっては帯域のあるネットワークを利用したいこともあるでしょう。FreeWayは、よりインテリジェントな技術といえます。

そしてFreeWayのもうひとつの特徴が、QoS(サービス保証)です。

これらはまだ、携帯電話のOSでは実現していない機能ですが、われわれはこれを新アーキテクチャとしてサポートします。これらの強化は、今後数年間のユーザーエクスペリエンスを形作るものとなるでしょう。

今後の取り組みとしては、スーパー3G、4Gなどネットワークの進化を見守り、対応していきます。また、SMP(対称型マルチプロセッサ)のサポートの実装も計画しています。ここでは英ARM(注:プロセッサのIPコアを提供する大手ベンダー)と提携して進めていきます。マルチメディアアプリケーションには処理能力、電力が必要です。複数のコアにすることで解決するというアプローチです。興味深い進化となるでしょう。2010年には、これらの強化をサポートした携帯電話が登場すると見込んでいます。