大阪心斎橋を中心に展開するナニワ商会は、フラッグシップショップ「カメラのナニワ心斎橋店」を大幅にリニューアルし、11月2日にリニューアルオープンした。また、リニューアルオープンに先立ち、11月1日にはプレスを招いての内覧会が開催された。

カメラのナニワ 心斎橋店

カメラのナニワは、創業60周年の歴史を持つナニワ商会のカメラ・写真専門店で心斎橋を中心に大阪、京都エリアに9店舗を持つ。リニューアルにあたり、「Consulting Photo Space」をメインコンセプトに、店内にはイスも備えたカウンターを設置、商品選びや撮影方法、プリントまでじっくり相談できるコンサルティングスタイルの接客を行う。

壁面上部は光の帯を模したデザインとなっている

イスも備えた接客カウンター

店内デザインはインフィクスの間宮吉彦氏が手がけ、白と黒を基調にし、壁面上部には光の帯状のデザインにして空間の広がりを表しているほか、カウンターや商品を照らす照明は色温度を4700Kにし、色評価も行える環境を整えた。商品展示スペースの合間となる壁面8カ所は、息抜き用の展示スペースを設け、初代ライカや富士フイルムのポジ、ネガの初製品、1967年にジッツォで初めて発売された三脚などが飾られる。店内の柱にはバックライトによる作品パネルを設置し、柱4本の4面計16作品が展示されているほか、入り口脇にはA2サイズの作品も展示している。現在の展示作品は、高田誠三氏の「日本の四季」計22点。

柱に設けられた展示パネル。4本の柱に計16点の展示が可能

入り口脇にはA2サイズの展示パネルも設けられる

商品ラインナップは、新品のカメラやレンズはもちろん、中古品の在庫にも力を入れオープン時には2000点の商品を揃えたほか、オリジナルブランドのバッグやオーダーメイドフレーム、日本ではまだ認知度が低いというスクラップブッキングも専門コーナーを設けて1万点の関連商品を在庫するなど、専門店ならではの品揃えとサービスに力を入れていく。また、人気のあるトイカメラを新たに導入、そういったカメラで使われるアグファ製フィルムや、Tokyo gratzyのパレード100などの品揃えを強化した。雑誌や書籍も従来より充実させ、洋書約150点も導入している。

入り口入ってすぐのカメラコーナー。デジタルビデオも展示される

在庫2000点という中古カメラコーナー。販売はされないが、ニコン歴代カメラコーナーもある

トイカメラやフィルムも新たに導入した

三脚コーナー

雑誌や書籍に加え、洋書も導入された

スクラップブッキングコーナーは非常に充実している

カメラのナニワ塩山代表取締役社長は取材陣に挨拶を行い、「7年前にデジタルの大波が来て、その津波が会社を襲った。しかしデジタル製品も追加し、写真社会に関与していきたい。写真はすごいものだと思っている。その写真のすごさを楽しむ人と縁を持ちたいというのがこの店をやる理由で、一番の宝はお客様。社内にはデジタル写真が好きな人がいるので、そういう人を中心に再出発する。これは最終形でなくスタート」と新店舗にかける意気込みを語った。

塩山代表取締役社長

塩山取締役副社長

さらに、塩山取締役副社長は、「市場ではお店プリントが縮小してきたら、ついにデジカメプリントが銀塩を追い越した。また、大阪でも競争が激化し、郊外型店も増えてきた。そこでこれまでは、ナニワ村というコンセプトで家電も扱ってきたが、カメラ専門店に業態を転換する。ターゲットも今までは全方位だったが、今後は写真愛好家やカメラや写真に接する機会の多い人に対し、コンサルティングスタイルの接客を行っていく」と今後の方針を語った。