11月4日、神奈川県・横浜市のパシフィコ横浜 国立大ホールにて「川井憲次コンサート2007 ~Cinema Symphony~」が開催される。

今年で映画音楽活動20周年を迎える作曲家・川井憲次は『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』『イノセンス』『機動警察パトレイバー』『機動戦士ガンダム00』といった人気アニメ作品を筆頭に、『リング』『DEATH NOTE』『大日本人』といった国内実写映画、また『セブンソード』『墨攻』『美しき野獣』のようなアジア各国の実写映画まで、幅広く活躍。近年の映像シーンには欠かせない作曲家として国内外から熱い注目を集めている。

川井氏の映画音楽の演奏には多種多様な楽器を必要とするため、コンサートの実現は難しいとされてきたが、今回はフルオーケストラに加えて、民謡コーラスの西田社中(『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』『イノセンス』)、太鼓の茂戸藤浩司、ポーランドのソプラノ歌手であるエルジピエタ・トワルニッカ(『アヴァロン』)、坂本美雨、児島由美といった豪華なゲストが参加。総勢112名の大編成を集め、初のコンサートが実現することとなった。開場16時、開演17時。入場料は全席指定で9,450円。

10月26日には、東京・秋葉原の石丸電気にて「川井憲次トークスペシャル Talk Symphony」を開催。リハーサルの合間を縫って駆けつけた川井氏からコンサートに掛ける意気込みが語られたので、以下にその内容を抜粋してお届けする。

「きっかけは文化放送でのラジオドラマのときにコンサートのお話をいただきまして、僕は『お金かかりますよ? 大変ですよ?』って言ったんです。が、ありがたいことに『どうしても』とおっしゃってくださって、『じゃあわかりました』ということで今回の運びになりました。ちょうど数日前からスタジオで、リズム隊と自分を含めたバンドのリハーサルを行っているんですが、『すげえ大変だな』と途方に暮れているところです(笑)」

平日夜、しかも台風が接近中という悪天候にもかかわらずトークショーは満席に。さすが川井氏のファンは熱い!

新しく手に入れた楽器から曲を作ることが多いと語る川井氏。「川井さんに初音ミクを与えてみたいですね」との司会者の発言に、会場は爆笑

「112名というのは『あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ』と集めたメンバーなんですが、実際のステージ上での配置を考えるとすごいことになっちゃいまして、前がギリギリなんですね。客席の前の列を潰してそこにステージを作ってるんですけど、それでも足りない。ゲストが落っこちるんじゃないかという状況になりましたが、なんとか乗るようになりました。曲数は20数曲の予定です。選曲は映画を中心に考えてまして、ゲストの方によっては、僕が楽曲を提供したものも少し含んでます」

リハーサルの模様も上映。川井氏(右奥)もギタリストとして参加している。左は太鼓奏者の茂戸藤浩司氏

盟友・押井守監督からは「最初で最後のコンサートになります(会場笑)。ギターを演奏する川井憲次を生で見る最後のチャンスでもあります」と激励(?)のメッセージ

「本当に最初で最後かもしれません。予算と時間が現実的じゃないので、いままでコンサートはやってこなかったんですが、それが今回現実のことになると。確かにこれは一生に一度のことかなと思って、そういう気持ちで臨んでいます。みなさん、コンサートにいらしてください。よろしくお願いします」

このほか、トークショーでは川井氏の今後の活動予定についても触れられた。2008年公開予定の押井守監督の新作アニメ映画『スカイクロラ』については、12月ごろからの作業になるとのことだが、詳細については残念ながら「まだ言えません(笑)」とのこと。ほかにも『DEATH NOTE』のスピンオフ作品『L change the World』の音楽を手がけるほか、映画音楽の作業が複数待機中だという。2008年以降も川井氏の活躍からは目が離せそうにない。

11月公開のオムニバス映画『真・女立喰師列伝』の話も。「押井さんが『みんな曲が多い! 僕は1曲だ』って言うから『1曲でいいんですか?』って聞いたら、『頭からお尻まで全部だ』って一番タチが悪い(会場笑)」

トークショー終了後にはサイン会が開催され、多くのファンが列を成した。会場ではこのほか、ベストアルバムの発売も発表された

コンサートのチケット購入や問い合わせなど、詳しくはコンサートの公式サイトまで。主催の文化放送によれば、10月29日時点ではまだチケットは入手可能とのこと。当日券も用意されるそうなので、川井氏の音楽を耳にしたことのあるアニメファン、映画ファン、音楽ファンは、この貴重な機会を逃さないようにしてほしい。