東京国際映画祭に出品されている"不条理青春ムービー"『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』の舞台挨拶が25日、都内で行われ、市原隼人、関めぐみ、浅利陽介、北村拓司監督が出席した。

写真左より、チェーンソー男、浅利陽介、市原隼人、関めぐみ

チェーンソーを振り回す謎の男と制服姿の美少女が夜な夜な闘う……という突飛な設定ながら、漠然とした不安や自分自身への苛立ちが募る青春期のリアルな感情を描く『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』。設定やストーリー展開の不条理さを吹き飛ばしながらスピーディーに突き抜ける作品に仕上がっているという。チェーンソー男とバトルする絵理を関めぐみが、そのバトルに参加する不良高校生・陽介を市原隼人が演じ、鬱屈した10代の気持ちを表現する。舞台挨拶に登場した市原は「楽しい感じに仕上がっています。ワイヤーアクションもあって迫力がありますよ」と語り、関も「私もワイヤーアクションに初めてチャレンジしました。貴重な体験でしたね」と語るように、チェーンソー男との闘いのシーンはワイヤーアクションとCGを組み合わせ、パワフルな映像で表現したという。

"悶々とする青春期の男子"が似合う市原隼人

『ハチミツとクローバー』(2006年)とは正反対のエキセントリックな役柄を演じる関めぐみ

「将来の目標? そんなものねえよ」と言わんばかりの陽介は、絵理との出会いにより、走り始めることに

無謀にもアイアンでチェーンソーに対抗する絵理。めぐみちゃん、本気モードです……

派手なアクションで映像に勢いをつける一方、心情表現も丁寧に描きたかったという北村拓司監督は「見た目は青春しているエンターテイメントですが、それぞれの人物の内面は正反対という、ギャップを出そうと心がけました」とコメント。そのギャップがタイトルの"ネガティブハッピー"という言葉に象徴されるように、現代の高校生のリアルな感情を表しているのかもしれない。10代の男女にはもちろん、子供の心を掴めない現代の大人たちにも訴える作品だろう。

『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』は、2008年1月中旬よりシネ・リーブル池袋ほかにて全国ロードショー。

(C)ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ製作委員会