米Advanced Micro Devices(AMD)は10月18日(現地時間)、同社2007年第3四半期(7-9月期)決算を発表した。同四半期の売上は16億3,200万ドルで前年同期比23%アップとなったものの、ATI買収に関わるコストやライバルIntelとの競争激化が原因で3億9,600万ドルの純損失を計上した。セグメント別に見るとプロセッサビジネスが好調で、特にモバイルプロセッサの出荷数は前年同期比で68%の伸びを見せている。

前期にあたる2007年第2四半期の売上高13億7,800万ドルとの比較でも、第3四半期は18%の増加となっている。季節的にPC販売が伸びる時期であり、先日IDCが発表したPC出荷数調査でもPC需要が好調なデータが示されている。また世界的なノートPC需要の高まりを受け、モバイル向けプロセッサの出荷増が成長要因となっているようだ。一方で運用損失が2億2,600万ドルで、純損失が3億9,600万ドル (1株あたり71セント)と、依然赤字状態が改善されていない。これはATI買収・統合に伴うコスト1億2,000万ドルに加え、Intelとの競合による価格競争激化と収益マージン下落に影響を受けたものとなる。業績改善の鍵となるのは、第3四半期にリリースされたx86初のネイティブなクァッドコア・プロセッサ「Barcelona」で、収益率の高いサーバ向けプロセッサを軸に、今後どれだけIntelの低価格攻勢を避けられるかにかかっている。

「売上大幅増を達成したことで、グロスマージンが8%回復し、運用損失を半分以下の水準まで押さえ込むことに成功した。また販売チャネルを通してのプロセッサ出荷数は過去最高を記録しており、今期にクァッドコアのOpteronプロセッサの出荷を開始している」と、米AMD CFOのRobert Rivet氏は赤字状況が少しずつ改善する兆しを示唆している。また来期の見通しについてAMDでは「第4四半期は季節的に売上が伸びる時期。AMDの業績も伸びる」とコメントしている。前述のようにIDCの調査報告でも今年後半のPC出荷が好調となる見通しが示されており、さらなる売上増が期待できる。