オリンパスは、ボディ内手ブレ補正機能を搭載し、防塵防滴に対応したフォーサーズマウント準拠のデジタル一眼レフカメラ「E-3」を11月23日より発売する。E-3はプロカメラマンの使用も想定した、同社ラインナップの最上位モデルとなる。価格はオープン。推定市場価格は20万円前後。

OLYMPUS E-3

E-3は登場が待ち望まれていたE-1後継となるフラッグシップ機。撮像素子には読み出し速度を高速化した新開発の有効1010万画素Live MOSセンサーを搭載、処理時間を大幅に短縮した新開発の画像処理エンジン「TruePicIII」や、カーボン入り樹脂素材を採用したミラーボックスなどにより高速連写や高速シャッタースピードを実現し、秒5コマの連写と1/8000秒の高速なシャッター速度に対応した。

正面。フォーサーズマウントの最上位モデルとなる

背面液晶は可動式の2.5型23万画素液晶

側面。メディアスロットはCFとxDのデュアル

本体上面

LiveMOSセンサーは、これまでのMOS信号技術をベースに材料や加工技術を抜本的に改善することでセンサー構造をシンプルにしつつ、フレキシブル基板に一体実装することで信号経路の抵抗を大幅に低減。消費電力や発熱、ノイズの少ない撮像ユニットを実現したという。超音波駆動によるゴミ取り機構「SSWF(スーパーソニックウェーブフィルター)」も搭載する。シャッターユニットの耐久性は約15万回。

画像処理エンジン「TruePicIII」には、被写体を忠実に再現しながらノイズを抑える「アドバンストノイズフィルターIIIテクノロジー」、エッジを正確に検出して滑らかに再現し、偽色を除去する「アドバンストディテールリプロダクションテクノロジー」、輝度信号と色差信号を独立して制御する「アドバンストプロパーガンマIIIテクノロジー」といった画像処理技術を搭載。描写力と色再現力を向上している。カラーモードは「VIVID」「NATURAL(標準)」「FLAT」「PORTRAIT」「モノトーン」の5つのモードが用意される。また、モノトーンモードでは、イエロー、レッド、オレンジ、グリーンのフィルター効果や、ニュートラル、セピア、ブルー、パープル、グリーンの調色も可能。

ファインダーには大型ガラスペンタプリズムを採用。視野率は100%、ファインダー倍率は1.15倍。ペンタプリズムには反射率の高いシルバーコーティングを、全てのルーペ系レンズ面にもコーティングを施し、光のロスを最小限に抑えることで、充分な明るさと高い解像力を確保した。測光には49分割測光システムを搭載し、低輝度測光時にはアクティブピクセル方式、高輝度測光時には積分アンプを使用するハイブリッド方式を採用している。

ボディ内には撮像センサーシフト方式の手ブレ補正機構を搭載。応答性と制御性に優れた超音波駆動方式(SWD:スーパーソニックウェーブドライブ)により、最大5段相当の手ブレ補正効果があるという。手ブレ補正はフォーサーズ規格に準拠した全てのレンズで使用できる。

フラッシュを内蔵する。ガイドナンバーは13相当

E-3のファインダー。測距点は11

手ブレ補正ユニット。ゴミ取り機構ごとLiveMOSセンサーを動かす。補正効果は最大5段相当

新開発の11点クロスセンサーのAFユニット。各センサーは縦横2本ずつのラインで構成される

AFセンサー(測距点)はE-1の3点から11点へと大幅に強化され、11点の全てにクロスセンサーが採用された。また、全てのクロスセンサーは縦横ともに2ラインで構成し、位相をずらした千鳥配置にすることで、AF精度を向上。世界最高速のAFスピードを実現したという。また、独自の画素加算技術を導入することで-2~19EVの測距輝度範囲を実現。11点のAFポイントの位置は膨大な写真データから統計的に分析した主要被写体の位置と、プロカメラマンからのヒアリングを元に決定された。

フレームはマグネシウム製

背面液晶は可動式のためフレームに穴がなく、剛性向上に貢献している

新開発のカーボン入り樹脂素材採用ミラーボックス

E-3とパワーバッテリーホルダーのシーリング図

ボディ材質には"鬆(す)"のできない均質な組成が可能なチクソモールド方式によるマグネシウム合金を採用。各部にシーリングを施し、埃や雨水などの浸入を防ぐ防塵防滴構造となっている。防塵防滴仕様のZUIKO DIGITALレンズとの併用で、過酷な環境下でも安心して撮影できる。ボディ内部にはエンジニアリング・プラスチックを主とした構造部材をメタルフレームで補強する。

背面液晶モニターには、縦横に回転する2軸可動式の2.5型23万画素ハイパークリスタル液晶モニターが採用された。視野角は上下左右176度。光学ファインダーを覗けないようなハイアングルやローアングル時でも、ライブビューと可動式液晶を併用して撮影できる。ライブビュー使用時には5/7/10倍の拡大表示が可能なほか、露出補正やホワイトバランス補正を反映したり、画面上に黄金分割や方眼、スケール表示なども行える。液晶モニターには照度センサーを備え、周辺の明るさに応じて明るさだけでなくコントラストを自動調節する機能も持つ。

対応記録メディアは2種類。UDMAに対応し高速転送が可能なType2 CFスロットと、xDピクチャーカードのデュアルスロットを備える。撮影モードはRAW/JPEGに加え、新たにRAWデータのロスレス圧縮モードが追加された。無圧縮時17MBのRAWデータを約11MBに圧縮できる。ボディにはガイドナンバー13相当のフラッシュを内蔵する。

ボディサイズは、142.5(W)×116.5(H)×74.5(D)mm、重さは約810g(ボディのみ)。バッテリーはリチウムイオンで、E-1やE-510と共用のバッテリー「BLM-1」が使用できるほか、オプションのバッテリーホルダー「LBH-1」との併用でCR123A×3も利用できる。縦位置シャッターボタンを搭載したパワーバッテリーホルダー「HLD-4」(23,500円)のほか、専用オプションとしてグリップストラップ「GS-3」(3,000円)、セミハードケース「CS-7SH」(5,600円)も用意される。

オプションのパワーバッテリーホルダー「HLD-4」装着時

フォーカシングスクリーンはサービス窓口で販売・交換の予定。価格未定