中国の国産検索エンジンサイト「百度(Baidu)」がこのほど、ゲームチャンネル「百度遊戯」を立ち上げた。

百度遊戯の特徴は、検索したユーザーがログインして記事を書き込めるコミュニティ機能を設けたことと、従来のサービスである、Q&Aサービス「百度知道」、ブログサービス「百度空間」、「百度掲示板」などとは関連がなく、完全に独立したシステムであることにある。個人データを登録する際も、百度の他のデータベースとは完全に分離されている。

さらに注目されるのは、百度遊戯のビジネスモデルが、ゲームに関するニュースを積極的に取り入れていること。情報はゲームメーカーが提供し、ゲーム愛好家やユーザーに対して直接提供される。百度遊戯では、ゲームに関する5,000余りの文書を検索可能。ログインして記事を書くことで互いに交流するといったコミュニティサイトの体裁も備えている。

百度のマネジメント層は、百度はニュースライセンスを得てはいるが、すぐに百度をニュースポータルサイトにするつもりはないとしている。だが、今回百度がゲームチャンネルに積極的にニュースの要素を取り入れたことからみて、百度の新登場したチャンネルは同ライセンスが与える権利をすでに十分活かし始めているとみてよい。ある意味で、百度遊戯は百度の将来の「ニュースポータルサイト化」に向けた布石のひとつと言えそうだ。

また、業界筋が予測していたとおり、百度のゲームチャンネルを担当するのは、大手ポータルサイト「捜狐」が2003年11月に買収したオンラインゲームポータル「17173」から移籍したスタッフになりそうだ。インターネットビジネスの評論で有名な呂伯望氏は、「百度ユーザーは若い人が中心で、百度遊戯は将来大型のゲームポータルサイトコミュニティとなり、17173の経営に深刻な影響を与えるだろう。百度のゲームチャンネルが17173の既存ユーザーを引き付けるのはほぼ間違いなく、捜狐のゲームチャンネルにも大きな影響を与えそうだ」としている。

一方、百度ゲームチャンネルの登場は、九城などのゲームメーカーにとってはまたとないチャンスとなるだろう。

業界筋は、百度が開設したゲームチャンネルは今後いくつかの段階で発展することが計画されており、まずは第九城市、完美時空、盛大網絡と連携。スタートアップ当初は検索できるゲームは5本だけだが、それから徐々に本数を増やしていく。半年以内に市場に出回る400本余りのゲームを登録し、その段階ではじめて他のゲームメーカーとの拡大協力を始めるとみている。