京都国立博物館は16日より、「特別展覧会 狩野永徳」を開催する。開催期間は11月18日まで。

新発見 洛外名所遊楽図屏風 個人蔵

桃山時代に"怪物絵師"として一世を風靡した狩野永徳は、その豪壮華麗・絢爛豪華たる画風で、時の権力者であった織田信長や豊臣秀吉などに重用された。対象物を近接拡大してダイナミックに描く手法が特徴的で、寺社仏閣や有力大名からの作画要請が絶えなかったといわれている。

初公開 吉野山風俗図屏風(狩野派) 個人蔵

同展は、狩野永徳の画業にスポットを当てた史上初の大回顧展となるもので、代表的な作品だけでなく、初公開となる作品などを含む約70点が展示される。

国宝 花鳥図襖 聚光院蔵

注目は、本邦初公開となる「洛外名所遊楽図屏」。狩野永徳筆の新発見品として出てきた4曲1双屏風で、人物や樹木などの表現が国宝「洛中洛外図屏風」に酷似していることから、永徳筆の真筆と考えられている。

織田信長像 大徳寺蔵

また、戦国武将の三好長慶の菩提を弔うために創建されたといわれる大徳寺塔頭・聚光院に描かれた国宝「花鳥図襖」も目玉のひとつ。特に東側4面に春の情景を表した襖絵には、まるで生き物のような激しさで梅樹が描かれている。その他、国宝「洛中洛外図屏風」「檜図屏風」などの代表作や、信長の遺像と考えられている「織田信長像」、同展が初公開となる「吉野山風俗図屏風(狩野派)」などが見どころとして挙げられる。

入館料は一般が1,400円、大学・高校生が900円、中・小学生が500円となる。開館時間は9時30分~18時まで、金曜日のみ9時30分~20時までで、休館日は毎週月曜日。 詳細は狩野永徳展専用サイトまで。