10月3日に東京・お台場で誕生したフジテレビ「湾岸スタジオ」がグランドオープンし、フジテレビ本社屋25階の球体展望室「はちたま」や本社屋5階の「フジテレビきっかけストリート」に続き、一般客が見学できるフジテレビ関連の公開エリアが誕生した。

地下1階、地上7階、総床面積7万平方メートルを超える「湾岸スタジオ」

ドラマ、バラエティ、モバイルコンテンツなど、様々なメディアに対応する最新放送設備を導入し、企画、収録、編集、仕上げを一貫して行える"デジタル・コンテンツ・ファクトリー"の「湾岸スタジオ」。エネルギー消費量も従来に比べて2割削減することに成功し、新開発となる省エネ型の空調方式を採用して地球に優しい建物になっている。優れた設備だけでなく、開放感あるアトリウムや吹き抜けなどの構造も特徴だ。また、一般客には1階と屋上を見学エリアとして設置。1階ではフジテレビが手掛けた映画の数々を想起できる「湾岸ミュージアム」、屋上では1万本以上の植樹を施した緑豊かな屋上庭園「ゆめファーム」に足を踏み入れることができる。

1階のロビーにある「湾岸ミュージアム」は、実際に映画の撮影で使用された衣装や小道具のほか、レアな制作物の数々が展示されている。現在公開されている作品では、『西遊記』関連のものを展示中。悟空、三蔵、八戒の「なまか」一行が立ち向かう最強の敵・金角大王と銀角大王の実物大フィギュアが撮影で使用した衣装を身にまとっている。現在公開中の映画『HERO』からは、作品の中で"真実と公平"の象徴として頻繁に画面に映る"天秤を持つ女神のブロンズ像"の展示を予定。新作からは、12月15日に公開される森山未來、加藤ローサ主演の映画『スマイル』より、アイスホッケーチーム「スマイラーズ」のユニフォームを、2008年5月公開予定の『少林少女』より、主演の柴咲コウ演じるヒロインが着用したラクロスチームのユニフォームを映画に先駆けて特別に展示している。

映画『西遊記』から、悟空らと闘う金角大王・銀角大王の実物大フィギュア

映画『スマイル』からは、アイスホッケーチームのユニフォームも!

『踊る大捜査線』で青島刑事らが着用したスーツ

『ローレライ』からは、戦利潜水艦・伊507の撮影で使用した模型

また、湾岸スタジオのもう一つの目玉は、屋上庭園の「ゆめファーム」。人気ドラマ「北の国から」のシリーズ最終作『北の国から2002 遺言』(2002年)で紹介された産業廃棄物で作られた"拾ってきた家"のコンセプトを軸に、「北の国から」の美術チーフデザイナーである根本研二氏が湾岸スタジオ用にデザインした"夢の小屋"を制作。富良野、旭川より廃屋3件分、廃車6台、スキーリフトのゴンドラなどの廃材を調達し、富良野から呼び寄せた職人の手によって施工された。小屋と庭園には、楽器を奏でるニングル約60体を配置。この規模は世界初という。また、庭園には白樺の間伐材120本と枕木370本を使用し、「北の国から」の美術スタッフを結集させて美しい庭園が施工された。この屋上庭園では、朝市やクラフト教室、ガーデニング教室や音楽などのイベントを開催する予定。「北の国から」のファンはもちろん、エコロジーに興味のある方は、一度足を運んでみてはどうだろう。

富良野の森に住む妖精のニングル

外観から見た夢の小屋。廃車が使われている