エレクトロニクス総合展の「CEATEC JAPAN 2007」が10月2日から6日まで開催されている。そこで目についたクルマ・バイク関連の出展をレポートしよう。まずはコンパクトになって、バイク搭載どころかポケットに入れて持ち運べるナビゲーションシステムから。
カーナビから「カー」が外れる
いまやクルマにとってカーナビは当たり前で、テレビなどの娯楽機能を満載して発売されている。本来のナビゲーション機能はというと、すでに十分実用に耐えるレベルまで熟成され、あまり目新しさを感じなくなっている。今回CEATEC JAPAN 2007の会場でいくつも見つけたのは、凝縮され、小型になったナビゲーション端末だった。
マイタックジャパンが発売する「Mio」シリーズは、コンパクトなモバイルナビゲーション端末。この9月に発売されたニューモデル「C525」「C523」では、ワンセグのテレビ放送も受信できるようになった。縦形の「P350」はWindows Mobileを搭載しており、PDA端末としても使用できる。ナビゲーション専用の「C325」「C323」もラインアップしており、これらは3万円台で購入できるようだ。
ディスプレイのサイズは縦形の「P350」のみ3.5型、その他は4.3型を使用している。いずれもバッテリーを内蔵しており、フル充電で4~5時間の使用が可能だという。「C523」と「C323」はナビゲーションを重視したモデルで、高速道路情報やルート検索などが充実。「C325」と「C525」は街情報を充実させたモデルで、4200万件もの住所検索ができる。
カーポイントが製造し、アール・ダブリュー・シーが発売する「XROAD」も、コンパクトなナビゲーションを展示していた。従来からの4.3型ディスプレイの「RM-V4120」、7型の「RM-Z5020」に加え、今回のCEATEC JAPAN 2007で高精細7型の「RM-Z7000」、バイク専用の「RM-A4000」が発表された。
「RM-A4000」を除いてすべてワンセグに対応しており、最新の「RM-Z7000」は録画機能まで備えている。どれもAC、シガーライター、内蔵電池の3ウェイ電源で、持ち運びが可能。住所検索は約2000万件に対応している。
バイクで使うために
バイクでの使用を考えてみよう。ホンダのアクセサリーブランドである「ギャザス」から二輪用ナビゲーションシステムが発売されているほどで、すでに珍しくはない。しかしこれはワンセグも搭載していないのに10万円近くする。というのも、バイクの走行中は音が聞こえづらいため、ヘルメットに取り付けるスピーカーや、ケーブル、コントローラーが必要になるからだ。
「XROAD」のバイク専用ナビゲーション「RM-A4000」が秀逸なのは、Bluetoothを使って音を飛ばすこと。面倒な配線は不要だし、バイクから降りるときもケーブルを気にする必要はない。専用のヘッドセットも付属している。またバイクではナビゲーションも外気にさらされるが、「RM-A4000」は防滴仕様となっており、急な雨でも大丈夫。グローブをしていても使えるように大型の操作ボタンが付いている。なぜかオービスの警告機能まで装備する。発売は11月中旬を予定している。
バイクの場合、メーター上にナビゲーションを付けるとしても、視線移動が大きくならざるを得ない。走行中にナビゲーションを注視するのはとても危険だ。となると音声ガイダンスはぜひ欲しい。また、ここに挙げた製品は、すべてGPSのみで位置情報を得ており、カーナビのような自律航法は備えていない。そのためトンネル内などでは位置を見失うことはあるが、それは割り切るしかないだろう。ルートが分かるだけでも価値はあるはずだ。
助手席側にセットされた「RM-Z7000」 |
一般向けではないが、豊通エレクトロニクスでもナビゲーションデバイスを展示していた |