ウィルコムは28日、総務省が10日から申請を受け付けている2.5GHz帯を使用した広帯域移動無線アクセスシステムの免許について、同日付で次世代PHS方式での申請を行ったことを発表した。
提出された申請は、正式には「特定基地局の開設計画の認定申請」と呼ばれるもので、この認定を受けた事業者だけがその計画の範囲(今回の場合は全国)で、ある周波数に基地局を独占的に設置できるため、一般には実質的な事業免許と呼ばれている。
2.5GHz帯では同社が推進する次世代PHS方式のほか、アッカ・ネットワークやNTTドコモら、KDDIやインテルら、ソフトバンクやイー・アクセスらの各陣営が採用するとしている、モバイルWiMAX方式による無線ブロードバンドサービスの提供が計画されている。ウィルコムと合わせたこれられ4陣営が免許申請を行う意向を示しているが、今回の割り当て計画では2,545~2,575MHzおよび2,595~2,625MHzの2枠が用意されており、免許を取得できるのはこのうち2つの陣営のみとなる。実際に申請を提出したのは4陣営のうちウィルコムが初。
ウィルコムが唯一採用する次世代PHS方式は、最大通信速度20Mbps以上の無線ブロードバンドサービスを実現する技術とされ、多重化方式・変調方式の基本的な部分ではモバイルWiMAXと共通する点もあるが、現行PHSからのスムーズな移行を可能にするため、1フレームが現行と共通のダウンリンク2.5ミリ秒/アップリンク2.5ミリ秒の5ミリ秒から構成されているのが特徴。
同社では、無線ブロードバンドで有利とされるマイクロセル方式で、既に全国16万局のPHS基地局を運用してきた実績があることを、携帯電話事業者を中心とした他の陣営に対する優位点として強調している。
総務省への申請の締め切りは10月12日で、それまでに残りの3陣営も認定申請を提出するものと見られている。