パナソニックは、フォーサーズマウントを搭載したデジタル一眼レフカメラ「LUMIX DMC-L10」、および交換レンズの発表会をパナソニックセンター東京にて開催した。会場では、パナソニックAVCネットワークス社 DSCビジネスユニット企画グループマネージャーの房忍氏がL10について詳細を語った。
デジタル時代のリーディングカンパニーを目指す
DMC-L10は、DMC-L1に続く同社2機種目にあたるデジタル一眼レフカメラ。すでに米パナソニックでは発表済みだが、国内向けはこれが正式発表となった。
房忍氏は、はじめに日本におけるコンパクトデジタルカメラの総需要推移と売り上げシェアについて語った。昨年から6割を超える"買い替え、買い増し"需要を背景に、急激にデジタルカメラ市場は再成長の動きを見せ、今年度も1000万台を超える需要になると予測。「当社は光学式手ブレ補正、高倍率ズーム、16:9のCCDなど他社に先駆けてユニークな商品開発をしており、先月末に導入した『FX33』『FX55』『FX18』の3機種に搭載されている"おまかせiA"も好評を得ている。デジタルコンパクトカメラ総需要ではメーカーシェアNO1を獲得している」と、好調な売り上げを語った。
房氏は「非球面レンズ、レンズユニット、システムLSI、イメージセンサーなどデジタルカメラの性能機能を左右する全てのデバイス技術を社内に持ち、それがLUMIXの強みである」と社内の幅広い技術をアピール。
LUMIXは2001年にデジタルカメラ事業に参入以来、デジタル時代の新しい写真文化の創造をヴィジョンに掲げて、写真画質の追求、独自性ある商品の開発、デジタルAVを中心としたデジタルネットワークの実現と、3つの基本理念の基に商品を開発してきたという。また、撮った写真をハイビジョンテレビ『ビエラ』に映して楽しむ「テレ写」というデジタル時代にふさわしい写真の楽しみ方を提案し、デジタル時代のリーディングカンパニーを目指すとも語った。
基本コンセプトは「常識を越える一眼レフの撮影スタイル」
DMC-L10の詳細な説明では、「一眼レフでもコンパクトカメラ同様の自由度の高い撮影スタイルを提供し、撮影の楽しみをさらに広げていきたい」と基本コンセプトを語り、最大の特徴として、一眼レフでは世界初となるフリーアングル液晶とコントラストAFを組み合わせた新しい撮影スタイルを提案した。
左右上下に動く「フリーアングル液晶」は、ハイアングルやウエストレベルでの撮影や床に置いてのローアングルなど無理のない姿勢で撮影を楽しめるというもの。また、目線に合わせてコミュニケーションをとりながら撮影できるので、子どもやペットの自然な姿を撮ることが可能だという。
撮像素子に写る映像全体からピントを検出するコントラストAFを採用することで、AFポイントを任意で選択することが可能になり、最適な構図を決定する際に有効だという。またコントラストAFを搭載したことで、コンパクトデジタルカメラで当たり前になっている「顔認識AFAE機能」を世界初で搭載したとアピール。ポートレートや集合写真だけでなく、夜景ポートレートも簡単に撮影できると紹介した。
また、750万画素と同等の受光部面積を確保した新開発の1010万画素ライブMOSセンサーやVENUS Engine IIIを採用し高画質に取り組んでいると説明し、超音波振動によるコミ除去システム「ノンダストシステム」は市場で高く評価されていると語った。
DMC-L10は開発段階で、使いやすいデザインと快適な操作性を徹底的に追及。コンパクトながらホールド性の良いグリップを実現したと語った。光学ファインダーもDMC-L1に比べ一段明るいものを採用し、より高倍率の視野を確保するために1.2倍のマグニファイヤーを標準装備する。
レンズについては、キットに同梱される「LEICA D VARIO-ELMAR 14-50mm/F3.8-5.6」と、LUMIXでは初となる超音波モーター搭載レンズ「LEICA D VARIO-ELMAR 14-150mm/F3.5-5.6」の新レンズ2本を加えると、フォーサーズ規格のデジタル専用レンズは34種類の多彩なレンズナップもアピール。超広角から超望遠までさまざまなニーズに応えられると述べた。
最後に房氏は「今後も継続的にLUMIXならではの新たな写真の楽しみを追求するとともに、他社とは異なるユニークで独創性のあるデジタル一眼レフカメラの開発に挑戦していきます。そして、2010年には一眼レフでグローバル10%の占有率が獲得できるよう挑戦していきたいと考えています」と、締めくくった。