東京・三鷹市美術ギャラリーにて、9月8日より10月21日まで企画展「怪獣と美術-成田亨の造形芸術とその後の怪獣美術-」が行われている。

これは特撮ドラマ『ウルトラマン』『ウルトラセブン』の美術総監督として、ヒーローや怪獣のデザインを数多く手がけた美術家、成田享氏の作品を筆頭に、高山良策氏、池谷仙克氏、原口智生氏といった、特撮作品に深く関わるデザイナーのスケッチや絵画、立体造形物などを幅広く展示するもの。

「怪獣と美術」展は三鷹芸術ギャラリーにて開催中。入り口では成田氏のデザインしたギャンゴ(中央)、ガラモン(右)がお出迎え

成田氏が生んだウルトラシリーズの人気怪獣たち。このほか『突撃! ヒューマン!!』『円盤戦争バンキッド』といった特撮作品のデザイン画もならぶ

観覧時間は10時から20時まで(入館は19時30分まで)。会期中の休館日は10月1日、9日、15日。観覧量は一般600円、高校生・大学生が300円、65歳以上と中学生以下は無料。

ウルトラシリーズの開始からは約40年。世代を超えて愛されているだけあって、会場には子供から年配の方まで幅広い層が足を運ぶ

成田氏によるダダ(左上)、ゴモラ(左下)、ウー(下)、メフィラス星人(右下)などの画稿。右上にはウルトラセブンの初期案も

成田氏が80年代に描いたウルトラマン。余分な装飾を好まなかった成田氏のウルトラマンには、胸のカラータイマーが描かれていない

アクリル画「雲一面」と、成田氏がデザインした3人の特撮ヒーローの立体物を組み合わせたもの。左よりヒューマン、ウルトラマン、ウルトラセブン

成田氏による「宇輪」と題された作品(左)と、そのレリーフ(右)。特徴的な頭部は『円盤戦争バンキッド』で宇宙人のデザインにも使われた

圧倒的な存在感を放つ成田氏の彫刻「翼を持った人間の化石」。科学や経済の力に溺れ、滅亡した人類の化石という強烈なイメージが具現化されている

80年代後半に描かれた絵画作品から。後年、成田氏は日本古来の伝統的造形を題材に扱った作品を多く残した

京都・大江山に建てられた鬼のモニュメントの写真展示。酒呑童子を中心とした3体の鬼のダイナミックな造形が見て取れる。台座を含め高さ8メートルに及ぶ巨大なもの