セイコーエプソンは20日、インクジェットプリンタ「カラリオ」シリーズの新製品として、複合機「PM-T960」「PM-A940」「PM-A840」「PX-A740」の4モデル、単機能プリンタ「PM-G860」「PX-V780」の2モデル、顔料A3ノビ対応プリンタ「PX-G5300」の1モデル、合計7モデルを発表した。小顔補正・美白補正ができる「ナチュラルフェイス機能」を搭載するなど、自動写真補正機能が大幅にグレードアップしているという。販売は、エプソン販売を通じ、10月4日より順次出荷される。価格はオープンプライス。
新ラインナップでは、2倍のインク噴射能力を実現した新型のマイクロピエゾヘッドを搭載することにより、高速高画質を実現。自動画像処理技術「オートフォトファイン! EX」の技術向上によって、人物(顔検出)、風景、夜景、一般画像の区分けが可能になった。これにより、シーンの判別精度や肌色・色かぶりの補正精度がアップし、「Epson Color」を更に進化させたという。同社では、これら新テクノロジーの投入で、「おうちプリント」の簡単・速い・安心を追求していくとしている(PX-A740はPCからのプリント時のみ「オートフォトファイン! EX」対応。PX-A740、PX-V780は「Epson Color」非対応)。また、新たに「ナチュラルフェイス機能」を搭載。「小顔補正」と「美白補正」により、人物の顔を自動的に細くしたり白くする補正も可能となっている。
ラインごとに機能を強化
今回発表された製品の中で最上位機種にあたるPM-T960は、6色独立染料インクで、5,760dpiの高解像度スキャンを搭載し、写真コピーやフィルムプリントに対応する。また、階調表現に優れた「Advanced-MSDT」や高速・高画質を実現する画像処理エンジン「REALOID」などを採用。L判印刷1枚19秒の高速印刷ができる。標準で自動両面印刷に対応し、前面給紙・背面給紙が可能なW給紙機構、フィルムスキャン機能を搭載。さらに3.5型カラー液晶、有線・無線LANを備え、CD/DVDレーベルプリントなどにも対応。ダイレクト印刷機能も付いている。発売日は10月4日で、市場予想価格は3万円台後半。なお、昨年発売されたフラッグシップ機のPM-T990はそのまま併売される。
PM-A940は、フィルムスキャン、テレプリパを除くPM-T960の標準機能を備える6色独立染料インクの多機能モデル。自動両面印刷にはオプションで対応可能。従来製品PM-A920より薄型かつブラックカラーの新デザインを採用し、2.5型カラー液晶を持つ。発売日は10月4日で、市場予想価格は3万円台前半。
PM-A840は、L判印刷1枚22秒の高速印刷と「ナチュラルフェイス」機能(PCのみ)などに対応した6色独立染料インクのハイスペックモデル。リビングに調和する新コンパクトデザインを採用している。発売日は10月4日で、市場予想価格は2万円台後半。
PX-A740は、4色独立顔料インクで、発色と保存性に優れる「つよインク200X」を搭載。2.5型カラー液晶を備え、スタイリッシュなホワイトカラーが特徴。L判1枚の印刷は、69秒。発売日は10月4日で、市場予想価格は2万円台前半。
PM-G860は、6色独立染料インクで、L判1枚22秒の高速印刷が可能。置き場所を選ばない小型でスタイリッシュな筺体を持つ。Epson Color対応。発売日は10月4日で、市場予想価格は1万円台後半。
PX-V780は、4色独立顔料モデル。モノクロ印刷用のヘッド幅を広げることにより、従来製品から2倍以上の超高速モノクロ印刷を実現。吐出能力が高い高性能ヘッドを採用し、ヘッド移動速度が従来の1.5倍になっている。発売日は10月4日で、市場予想価格は、1万円台前半。
PX-G5300は、進化した「PX-Gインク」を採用。耐オゾン性・耐光性に優れるだけではなく、更なる高光沢、より広い色再現領域を提供する。新採用の論理的数式アルゴリズム「LCCS Technology」によって、ガマット、階調性、粒状性、カラーインコンスタンシーをバランスよく最適化。さらにブルーインクの替わりにオレンジインクを新規に搭載することで赤~黄色の発色が大幅に向上している。また、新たにPictBridgeに対応することにより、PCレスでの印刷も可能になった。A3ノビサイズ対応。発売は2007年末頃で、価格は6万円台後半。
新しいプリンタ文化の提案
PM-T960、PM-A940、PM-A840では、ケータイでダウンロードした店の情報や料理のレシピ、楽譜などのコンテンツを赤外線転送して印刷できる「モバプリ」も利用可能。7月にサービスを開始した「モパプリ」では、1500種類以上のコンテンツを提供している(2007年8月末現在)。現在、対応ケータイはauの赤外線搭載WIN端末のみだが、NTTドコモ、ソフトバンクモバイルを含むマルチキャリア対応の展開で、「より多くのプリンタコンテンツを楽しめる時代を目指し、プリンタを活用した新しいライフスイタルを提案していきたい」としている。