米AMDは17日(現地時間)、同社の次世代CPU「Phenom」のロードマップに、トリプルコアの製品を追加すると発表した。Phenomは、同社が今年投入を予定しているデスクトップ向けのプロセッサ。これまでに4コアと2コアの製品が明らかになっており、今回、その中間に3コア製品が登場した形だ。

同社のデスクトップ向け次世代CPU「Phenom」には、これまでクワッドコアの「Phenom FX」と「Phenom X4」、デュアルコアの「Phenom X2」といったシリーズが発表されていた。トリプルコアの製品が「Phenom X3」という名称になるのかは明らかにされていないが、デスクトップ向けCPUでコア数は2のべき乗となるのが一般的で、3コアというのは珍しいと言える。

この3コア製品の投入について、同社は「2007年第2四半期のデスクトップPC出荷量に占めるクワッドコア・プロセッサの割合は2%未満だった」というMercury Researchの調査結果を引用。これを「より豊富な種類のマルチコア・ソリューションに対するニーズの表れ」と見ている。ただ、IntelはクワッドコアのQ6600を7月に大幅に値下げ($530→$266)しており、トリプルコアのニーズがどれほどあるのかについては不透明さも残る。

米MicrosoftのBill Mitchellバイスプレジデント(Windows Hardware Ecosystem担当)は、「当社は、トリプルコア処理が業界に登場することで、消費電力と性能の両方の効率が向上する可能性があると考えており、Microsoftの製品ファミリの中でこれを活用する可能性について、AMDと共に模索している」とのコメントを寄せている。

Phenomのトリプルコア製品は、2008年第1四半期の提供開始を予定している。なおクワッドコア製品については、これまでの予定通り、2007年中の出荷開始を予定しているという。