今回のDreamforce 07の発表でのもう1つの目玉が「Visualforce」だ。従来までであれば、Salesforceのアプリケーションは入力フィールドやタブ等のカスタマイズこそ可能なものの、アプリケーションを表示するプラットフォームやデバイスに応じて挙動を変えたり、画面そのものを完全にカスタマイズすることは難しかった。例えば、携帯電話では表示可能な情報が限られるうえに表示に最適なサイズが異なり、交通機関や各種施設などで見かけるKIOSK端末ではよりシンプルなインターフェイスが求められる。これらデバイスに必要以上の情報を提供することは、ユーザーインターフェイス(UI)の観点からみればあまり好ましいことではない。

Visualforceでは、こうしたデバイスごとに最適なUIを提供し、異なるデバイスから同一のアプリケーションにアクセスした場合でも、最適な形に加工して表示を行う。KIOSK端末の例では、タッチスクリーンの入力にあわせてシンプルで巨大なボタンを並べたインターフェイスを表示し、携帯電話ではサイドメニューやタブなどの必要過多な情報を排除してシンプル化する。さらに画面上のデモストレーションではiPhone上でアプリケーションを実行し、iPhoneライクな基本メニューの表示ほか、電話やGoogle Maps機能呼び出しなどiPhoneにインプリメントされた特殊機能との連携も実現している。

Visualforceは2007年第4四半期をめどに、まず技術プレビューが開発者向けに提供される。その後、Salesforceの定期アップデートをもって正式機能として登録されるものとみられる。

KIOSK端末でのVIsualforceの活用例

iPhoneに最適化してアプリケーションを表示した例。iPhoneの独自機能呼び出しも可能